研究課題/領域番号 |
14370604
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態科学系歯学(含放射線系歯学)
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研究機関 | 高知大学(医学部) |
研究代表者 |
植田 栄作 高知大学, 医学部附属病院, 講師 (10203431)
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研究分担者 |
奥 尚久 高知大学, 医学部附属病院, 助手 (20363286)
鎌谷 宇明 高知大学, 医学部附属病院, 助手 (00315003)
笹部 衣里 高知大学, 医学部附属病院, 助手 (40363288)
尾崎 登喜雄 高知大学, 医学部, 教授 (70031995)
木村 剛 高知医科大学, 医学部附属病院, 助手 (10294836)
山本 哲也 高知医科大学, 医学部, 助教授 (00200824)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
9,700千円 (直接経費: 9,700千円)
2003年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2002年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
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キーワード | 抗菌ペプタイド / α-ディフェンシン / β-ディフェンシン / Peptide 2 / チトクロームP450 / カンジダ症 / アスペルギルス症 / 好中球 / Peptide2 / チトクロームp450 / カンジタ症 |
研究概要 |
抗菌ペプタイドの抗真菌作用について、以下の点を明らかにした。 1.α-defensin-1、β-defensin-2に比べ、我々の作成したラクトフェリンペプタイド(Peptide2)はカンジダ菌、アスペルギルスの双方に対し、強い抗菌作用を示した。 2.Peptide 2およびHistatin 5は、抗真菌剤のアムホテリシンBとは相加的に、イトラコナゾールとは相乗的に抗カンジダ菌作用を示した。 3.Peptide 2、Histatin 5あるいはα-defensin-1と抗真菌剤を併用すると、抗真菌剤単独に比べ、菌内の抗真菌剤濃度は上昇した。 4.各抗菌ペプタイドはカンジダ菌の細胞壁成分(キチン、マンナン、グルカン)およびDNA合成を弱いながら阻害したが、チトクロムP450に対する阻害作用は認められなかった。各抗菌ペプタイドは、細胞膜の透過性を亢進することなく真菌内のATPを排出させた。 5.抗菌ペプタイド、特にPeptide 2は抗真菌剤と協調し、マウスのカンジダ菌およびアスペルギルス菌感染症を制御した。 6.抗真菌剤のアムホテリシンBおよびイトラコナゾールはカンジダ菌の多剤耐性遺伝子(MDR1)の発現を亢進せしめたのに対し、Peptide 2およびHistatin 5はMDR1の発現に影響せず、アムホテリシンB耐性カンジダ菌に対しても感受性菌と同等に作用した。 7.調べたペプタイドの中で、Peptide 2のみが好中球の殺菌能/活性酸素生成能を亢進せしめた。 8.Peptide 2で処理したヒト好中球では、活性酸素生成に関わる細胞膜G蛋白→PI3K→PKCシグナル活性、p47^<phox>およびp67^<phox>の発現が増強し、さらに貧食能と関係のあるRac2/Cdc2の発現増強、PAK1およびERK1/2の活性化が認められた。 以上の結果より、真菌感染症におけるPeptide 2の臨床応用の有用性が示唆された。
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