研究分担者 |
進藤 正信 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (20162802)
安田 元昭 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (90239765)
横山 敦郎 北海道大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (20210627)
山本 悟 北海道大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (10344524)
東野 史裕 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (50301891)
|
研究概要 |
次年度である本年度は,ラット骨髄細胞のデキサメサゾンを用いた骨芽細胞への誘導およびDNAマイクロチップを用いてデキサメサゾン誘導の遺伝子発現に対する影響を経時的に検索するとともに,発現に差違が認められた遺伝子についてRT-PCRを用いて定量的に解析した. 生後8週齢のフィッシャー系雄性ラットを実験動物として用い,Maniatopolusの方法に準じて,大腿骨から骨髄細胞を採取し,初代培養後,ディッシュに付着した細胞を骨髄幹細胞として分離した.この細胞をデキサメサゾンを含む培地で誘導した場合と含まない培地を用いた場合に分け培養した.培養後2,5,14日後に細胞を回収し,RNAを抽出し,DNAマイクロチップにて遺伝子の発現を解析した.骨形成に関係するいくつかの遺伝子に発現の差違が認められ,これらについてさらにRT-PCRで経時的に,定量的に解析した.アルカリフォスファターゼについては,2,5日後については,差違が認められなかったが,7,14日後はデキサメサゾンを含まないほうが,有意に強い発現を示した.BMP2に付いては,同様に2,5日では差違が認められなかったが,7日後ではデキサメサゾンで誘導したほうが有意に強い発現を示し,14日後では同様の発現であった.同じファミリーであるBMP3は,2,5日後ではデキサメサゾンを含まないほうが強い発現を示したが,7,14日後ではデキサメサゾンて誘導したほうが,強い発現を示した.フォリスタチンは,デキサメサゾンで誘導した場合,2日後から5日後にかけて発現強度が1/2に減弱し,その後発現強度は増強した.以上の結果から,ラット骨髄細胞をデキサメサゾンで誘導した場合,5〜7日後に骨芽細胞への分化が生じている可能性が示唆された.
|