研究課題/領域番号 |
14370638
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
古谷野 潔 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (50195872)
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研究分担者 |
鮎川 保則 九州大学, 病院・講師 (50304697)
伊山 愼二 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助手 (30315098)
松下 恭之 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助教授 (60159150)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
13,300千円 (直接経費: 13,300千円)
2004年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2003年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2002年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
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キーワード | スタチン / 骨再生 / 硬組織 / 破骨細胞 / 骨芽細胞 / チタン / smad / 骨 |
研究概要 |
本研究を通して、高脂血症治療薬であるシンバスタチンの全身的投与が骨欠損部やインプラント周囲の骨治癒に促進的役割を果たすことが確認された。 まず、in vitro実験として骨芽細胞様細胞にスタチンを投与したところ、ある濃度までは濃度依存的に細胞数を増加させた。また、スタチンは培養骨芽細胞様細胞のbone nodule形成能を向上させることが明らかになった。さらに硬組織形成に係わるシグナル伝達物質のスタチン投与による影響について調べた結果、スタチンが骨芽細胞のシグナルタンパクであるsmad-2,4を増加させることが明らかになった。 次に、ラット骨の人工骨欠損にスタチンを応用したときの効果について検討した。組織形態計測学的研究では、6週齢ラット脛骨骨欠損部にスタチンを注射によって直接投与した結果、いずれの群においても欠損部の骨性治癒が図られていたが、スタチン投与群では特に破骨細胞の形成が有意に抑制されており、骨新生部における骨吸収の抑制が示唆された。また、スタチン局所投与群においては、欠損部位における新生骨率がコントロール群と比較して有意な増加が認められ、局所投与が骨量の増加に寄与していることが裏付けられた。新生骨を採取して行ったPCR実験の結果、骨芽細胞マーカーのシグナルは増加したが、破骨細胞マーカーは抑制された。 さらに、スタチンのインプラント周囲骨の治癒に対する効果を検討した。12週齢ラット脛骨(ラットの一部は卵巣摘出して骨粗鬆症状態を作製した)に直径1mmのチタンインプラントを埋入、スタチンを腹腔内投与し、埋入部を28日目に観察して新生骨の骨接触率を測定した。その結果、スタチン投与はチタンインプラント周囲の新生骨形成を促進することが明らかになり、さらに骨粗鬆症状態においてもその効果は維持された。
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