研究概要 |
義歯クラスプ用超弾性金合金の諸性質を改良する目的で結晶粒の微細化により性質の安定性をもとめる実験を行った。 初めに65wt%Au-12Cu-23Zhを母合金としてRu, Hf添加に加えにランタノイド金属La, Ce, Nd, Sm, Gdを0〜1%添加し、疲労試験と結晶粒の微細化を調べた。その結果Ru単独添加に対してはSm, Gd, Ld添加、HfとRuの複合添加に対してはSm, Gd, Laの添加が良好な性質を示すことがわかった。 次に母合金を7種類〔No.30(64wt%Au-12Cu-24Zn)、No.31(65 wt%Au-11Cu-24Zn)、No.36(64wt%Au-13Cu-23Zn)、No.37(65wt%Au-12Cu-23Zn)、No.38(66wt%Au-11Cu-23Zn)、No.40(65wt%Au-13Cu-22Zn)、No.41(66wt%Au-12Cu-22Zn)〕に変化させ0.5wt%Ruに対しLa, Sm, Gdを0.5%添加したものと、0.5w%Ru+0.25HfにLa, Sm, Gdを0.25%添加した合金を作り、方さ、引張り強さ、磨耗、疲労、結晶粒の微細化を調べ以下の結論を得た。 結晶粒の微細化効果が大きかったのは母合金No.40に0.5wt%Ru+0.5Smを添加したもの、次が母合金No.30に0.5wt%Ru+0.25Hf+0.25Smならびに0.5wt%Ru+0.5Gdまたは0.5wt%Ru+0.25Hf+0.25Gd添加したときであった。疲労ではNo.37に0.5wt%Ru+0.25Hf+0.25La添加、No.40に0.5wt%Ru+0.5Sm添加したもので約12,000回、No.41に0.5wt%Ru+0.25Hf+0.25Sm添加したものが20,000回を超えた。したがってこれらの添加物ならびに添加量が良好な性質となることがわかった。
|