配分額 *注記 |
13,800千円 (直接経費: 13,800千円)
2004年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 9,600千円 (直接経費: 9,600千円)
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研究概要 |
ウレタン,α-クロラロース麻酔下の家兎の三叉神経末梢を電気刺激すると,低頻度(5Hz)では降圧反応が,高頻度(25Hz)では降圧・昇圧の二相性の反応が認められる. 大動脈減圧神経刺激により動脈圧受容体反射を惹起させた状態での三叉神経刺激,すなわち大動脈神経と眼窩下神経を同時刺激すると,眼窩下単独刺激においてみられた降圧反応は増強され,眼窩下単独刺激においてみられた昇圧反応は消失した.また,これらの反応は主に交感神経活動の増減によるものであった.動脈圧受容体反射の生じた状態に三叉神経刺激が加わることが,歯科臨床でみられる循環抑制の機序の一つである可能性が示唆された. 眼窩下神経の電気刺激によって生じる循環反応に対する各種薬剤の影響を観察すると,降圧反応はフェンタニル,イソフルラン,フェントラミン投与により抑制され,昇圧反応はプロポフォール,イソフルラン,フェントラミン投与により抑制された.また,プロポフォールとフェンタニルの組合せでは降圧反応,昇圧反応ともに抑制された.降圧反応あるいは昇圧反応が抑制された場合には,フェントラミン以外の全ての薬剤において,交感神経活動の増減も抑制された.プロポフォールとフェンタニルの組み合わせは,過度の血圧低下を招くこともなく,また動脈圧受容体反射を抑制せずに三叉神経刺激による循環反応を抑制できるため,歯科口腔外科領域において有用な麻酔方法であると考えられた.イソフルランも三叉神経刺激による循環反応を抑制したが,動脈圧受容体反射も抑制した.フェントラミンについては,その投与により三叉神経刺激による循環反応は抑制されるが,血圧低下が著しく,また,自律神経活動自体を制御していないことが明らかとなった.
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