配分額 *注記 |
13,400千円 (直接経費: 13,400千円)
2004年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2003年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
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研究概要 |
1.連続気孔性アパタイト焼結体の主成分は骨置換材として知られるβ型リン酸三カルシウム(β-TCP)と,その高温安定相α型リン酸三カルシウム(α-TCP)の混合体で,その特性は気孔率が約85%,気孔径が約0.8mmであった.さらに強度を増すため気孔径を骨芽細胞が浸潤できる範囲で,できるだけ小さくした連続気孔性アパタイト焼結体の作成を試みたが,この研究で用いた連続気孔性アパタイト焼結体の作製方法では,軟質発砲ポリウレタンフォームを10%二酸化ケイ素含有アパタイト懸濁液に浸漬するため懸濁液の表面張力によって気孔が詰まって気孔径0.8mm下連続気孔性アパタイト焼結体の作製は不可能であった.そこで実験は気孔径1.0mmと0.8mm連続気孔性アパタイト焼結体を用いた. 2.実験に用いた気孔径の違い(1.0mmと0.8mmでは,骨形成量,骨形成速度には相違が認められなかった.このことはこの程度の気孔径の違いでは気孔内への骨芽細胞の侵入に違いがないと考えられる.ただ作製されたアパタイト焼結体ブロックは気孔径が大きくなると脆くなり臨床には適さなくなる.またアパタイト焼結体は気孔内で新生骨と結合組織を介さず直接骨と接触しているのが確認されたが,生体内で骨への置換は認められなかった. 3.BMSC含有連続気孔性アパタイト焼結体を作るためには,細胞をアパタイト焼結体に付着させるのにフィブリノーゲンとの縣濁が必要であった.BMSC含有連続気孔性アパタイト焼結体を骨欠損部に埋入し生骨量をBMSC非含有連続気孔性アパタイト焼結体と比較したが6ヶ月,12ヶ月では新生された骨量に違いは認めなかった.すなわち中長期では新生骨量に違いが認められなかったが,BMSC含有の効果はもっと早期に表れる可能性はあるので今後短期間での実験が必要であると考える.またこの実験を通して連続気孔性アパタイト焼結体はほとんど吸収しておらず、長期にわたっても吸収するとは考えにくい.
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