研究課題/領域番号 |
14370700
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
矯正・小児・社会系歯学
|
研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
竹原 直道 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (00038879)
|
研究分担者 |
安細 敏弘 九州歯科大学, 歯学部, 助教授 (80244789)
高橋 信博 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (60183852)
小関 健由 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (80291128)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
13,100千円 (直接経費: 13,100千円)
2004年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2003年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2002年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
|
キーワード | 齲蝕 / バイオフイルム / 微小環境 / pH / IS-FET |
研究概要 |
う蝕発生の前段階を詳細に解析すると、歯の硬組織が特徴ある脱灰の過程を経て歯の表層が崩壊してゆく。しかしながら、歯面の表層の微小環境は測定することが難しい上に、これに隣在する口腔内微生物と唾液の微小環境に及ぼす影響は多大である。歯の表面を覆う微生物の塊である歯垢内部の相互作用を解析すると同時に、そのバイオフィルム内の微小環境の測定を試みた。口腔内バイオフイルム底面と歯質との境界における微小環境のダイナミズムを観察する微小環境プローブは、東北大学大学院歯学研究科・口腔生化学分野において世界に先駆けて開発した半導体センサを用い、これの制御装置と記録装置を兼ね備えた、超小型・可搬型であり、かつ小型の電池で駆動する測定装置を開発した。この可搬型小型読取装置は、高集積型マイクロコンピュータを核とし、多チャンネルでアナログ出力をデジタルに変換できる複合LSIを応用し、数十万回の測定データを記録できる装置である。これと平行して、口腔内の隅々まで満たし、口腔内の微小環境を制御している唾液の生化学的性状と物性を検索し、バイオフイルム内の微小環境への外乱因子としての唾液の研究を行った。唾液の分泌量と物性は、口腔乾燥症をモデルとして考えた場合、口腔の自浄作用・湿潤作用・抗菌作用・緩衝作用・希釈作用・消化作用・味覚の媒体等の機能を持つ。この内、唾液の緩衝作用と希釈作用は直接的に歯垢内の微小環境へと影響することが考えられるので、口腔内の唾液の機能を分析し、同時に口腔内に起こると考えられる病態と関連付けて検索した。これらの研究成果から、歯垢内部の微小環境でのう蝕発生のダイナミズムを連続的・多面的に観察する事が可能となった。これからは、開発した装置と得られたデータの詳細を解析し、バイオフイルム内の微小環境が関与する齲蝕発生のメカニズムの考察を通して、う蝕予防の方策を考えてゆく。
|