研究分担者 |
窪木 拓男 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00225195)
西村 英紀 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (80208222)
久保田 聡 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (90221936)
明貝 文夫 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (50263588)
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配分額 *注記 |
13,500千円 (直接経費: 13,500千円)
2005年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2004年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2003年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
2002年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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研究概要 |
標的因子の特定が重要な項目であるので,我々は歯周病の病態形成を鑑みて,(1)感染の非特異的な防御,(2)組織再生,の両面からターゲット因子を特定することにした。また,その生体毒性のために遺伝子治療の臨床応用に対する不安があるのも事実であるので,すべての実験は,その為害性も試験した。 1.標的遺伝子 ラットにおいて,歯槽骨の再生時に,1週目にcytochrime c oxidase遺伝子が,2.5週目にpro-a-2 type I collagen遺伝子が,特徴的に強く発現していた。これらを活性化することが細胞の活性度を高め,組織の線維化を促進することになるようである。歯髄では,ヒト14.7K-interacting protein 2(fip2)遺伝子のホモログが強く発現しており,ラットFIP-2遺伝子とした。この遺伝子の生理的な意味合いは不明であったので,現在も解析中である。さらに,炎症を制御するために,ヒト腫瘍壊死因子(TNF)-αを誘導する新規転写因子LITAFの活性化に関するプロモーターを特定した。 2.非ウィルスベクターによるβ-デフェシンの導入 口腔細菌の感染を抑制する作用のある抗菌ペプチドβ-デフェンシンを,上皮細胞や唾液腺に遺伝子導入によって強制発現させて,口腔内の細菌量の変化をラットにおいて調べた。さらに,催炎症性であるともいわれるこのペプチドが,唾液腺内で強制発現すると,組織に炎症を惹起させるかどうかも,組織学的に調べた。ラット唾液腺内での発現を実現させると,口腔内細菌が減少することと唾液腺組織の炎症が少ないことを確認できた。なお,電気的導入では,組織障害が大きかった。一方で,細菌内毒素の刺激時のこの遺伝子の発現誘導には,2つのNF-κB結合部位が促進的に作用し,NF-IL6結合部位は抑制的に作用することがわかった。導入したこの遺伝子の発現誘導に活用できるかもしれない。
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