研究課題/領域番号 |
14370725
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 明治薬科大学 |
研究代表者 |
久保 陽徳 明治薬科大学, 薬学部, 教授 (60097201)
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研究分担者 |
齋藤 直樹 明治薬科大学, 薬学部, 助教授 (80142545)
三上 襄 千葉大学, 真菌医学研究センター, 教授 (40092100)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
11,900千円 (直接経費: 11,900千円)
2004年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2003年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2002年度: 7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
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キーワード | 海洋天然物 / アルカロイド / イソキノリン / エクチナサイジン / レニエラマイシン / 制がん剤 / 構造解析 / 大量供給 / イソキノリンアルカロイド / 制癌剤 / 脱N-メチル化 / エステル化 / 炭素繊維 / 養殖 / ジョルマイシン / 酸化的分解反応 / 変換反応 / サフラマイシン / 全合成 |
研究概要 |
タイ国に生息する海洋生物が生産する強力な制がん活性を示すイソキノリンアルカロイドであり欧米諸国において臨床試験が実施されているエクチナサイジンを新規制がん剤のリード化合物と位置づけ、これら天然物に関する創薬研究を展開した。まず、プーケット島東南側沿岸において、群体ホヤの生態調査や至適採集時期の選定、並びに不安定な標的化合物の安定化を含む抽出・分離精製法の改良によりグラムスケールでの大量供給手段を確立した。次に各種微量成分の構造解析、主成分の化学変換による各種誘導体の合成により得られた様々な化合物について生物活性試験を実施し、創薬開発に必要となる2,3の新しい知見を得た。さらに、構造活性発現に必須な構造単位を確定するために様々な部分構造単位を合成し、それらの生物活性を検定した。一方、天然物の恒久的な供給手段の確立を目指した合成研究を展開し、全合成鍵中間体の合成に成功した。 続いて、バンコク東側に位置するシーシャン島沿岸で発見した青色海綿を新たな研究材料として選び、含有成分の探索研究を実施した。この場合にも、不安定な天然物を化学的処理により安定化してから抽出、分離精製を行ったところ、レニエラマイシンをクラムスケールで得ることができた。本系天然物は約25年前にメキシコ沿岸に生息する青色海綿の二次代謝産物として報告されて以来、今日まで環太平洋およびインド洋に生息する同種の海綿の二次代謝物として約10個の化合物が発見されてきた。しかしながら、いずれも天然から供給できる量はごくわずかであり、本格的に生物活性試験の実施を実現することは困難であった。 以上のように新たな制がん剤として世界的に注目されている海洋天然物の実用的供給手段が確立できた。
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