研究課題/領域番号 |
14370726
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理系薬学
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
後藤 順一 東北大学, 医学部附属病院, 教授 (80006337)
|
研究分担者 |
飯田 隆 日本大学, 文理学部, 教授 (60060125)
眞野 成康 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (50323035)
小林 典裕 神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (90205477)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
15,200千円 (直接経費: 15,200千円)
2003年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2002年度: 12,400千円 (直接経費: 12,400千円)
|
キーワード | 脳内胆汁酸 / ケノデオキシコール酸 / プロテオミクス / 質量分析法 / アフィニティー抽出 / 酵素反応 / トレーサー法 / ディファレンシャルディスプレイ / LC / ESI-MS / MALDI-TOFMS / アルツハイマー / 脳内胆汁酸の生合成 / アフィニティイー抽出 / ディファレンシャルディスプレー |
研究概要 |
胆汁酸は、肝においてコレステロールより生合成され、腸肝循環しているため、通常血中や末梢組織中にはごく僅かにしか存在しない。最近当研究グループにおいて、ラット脳組織中の胆汁酸の検索を行ったところ、3種の遊離型胆汁酸が存在し、しかもそれらのうちケノデオキシコール酸(CDCA)はある種の蛋白質と強くバウンドしていることが示唆された。そこで今回、脳内における胆汁酸生合成の可能性を検討するとともに、CDCAを固定化したアフィニティーゲルを用いて結合蛋白質の解析を行った。 まず、側鎖カルボキシル基に重酸素を標識した3β-ヒドロキシ-5-コレン酸を調製し、ラット脳ミクロソーム画分とインキュベートした結果、7α位に水酸化を受けることが判明した。次いで、生成した3β,7α-ジヒドロキシ-5-コレン酸の重酸素標識体を調製し、先と同様にラット脳ミクロソーム画分とインキュベートすることにより、7α-ヒドロキシ-3-オキソ-4-コレン酸が生成することが判明した。さらにその重酸素標識体を調製してラット脳細胞質画分とインキュベートしたところ、CDCAが経時的に生成することが明らかとなった。以上の結果から、脳内に3β-ヒドロキシ-5-コレン酸が存在すると、それが酵素的にCDCAに変換される可能性が強く示唆された。 CDCA固定化ゲルに対してラット脳細胞質画分を添加し、洗浄後、高濃度のグアニジン溶液を添加して結合蛋白質を抽出し、得られた蛋白質混合物を二次元ゲル電気泳動法を用いて分離したところ、数種の蛋白質が特異的に濃縮された。トリプシンを用いるゲル内消化後、MALDI-TOFMSによるペプチドマスマッピングに付し、ペプチドマスフィンガープリンティング法によるデータベース検索を行ったところ、ビタミンD依存性Ca結合蛋白質の他、チューブリンや14-3-3蛋白質ζなどのアルツハイマー病に関与する蛋白質が同定された。
|