配分額 *注記 |
13,700千円 (直接経費: 13,700千円)
2004年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2003年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
2002年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
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研究概要 |
生体での防御と応答に関わる蛋白質の三次元構造の詳細を,回折構造生物学的なアプローチによって解明するため,蛋白質試料を大量に調製,精製し,結晶化とX線結晶構造解析を行った。 自然免疫系のToll-like受容体(TLR4)と相互作用し,細菌のリポ多糖LPSを識別するMD-2蛋白質は,防御応答を担い,敗血症を惹起する。ヒトMD-2の高純度精製標品を調製し,LPS, Lipid Aなどのリガンドとの会合を詳細に調べ,結晶化した。TLR4の発現コンストラクトも調製し,発現レベルを調べた。 ヒト組織因子の蛋白質の細胞外ドメインに結合して血液凝固を阻害する抗体の結晶構造解析を行った。その構造に基づいて細胞外ドメインに結合する低分子リガンドを設計し,組織因子との結合を評価し,結晶化した。ヒトHsp40についても大量発現,精製,結晶化を行った。 β-ガラクトシダーゼなどのヒトの酵素と受容体などについて,大量調製法,結晶析出の妨げとなる糖鎖の均一短鎖化,精製法を構築し,高純度の結晶化用の試料を得た。リソソーム遺伝病に関わるヒトβ-ガラクトシダーゼとα-ガラクトサミニダーゼについて,結晶性の改良し,X線回折データを収集した。細胞膜貫通型アドレナリン受容体に関しては,コドン最適化を経てマルチコピー組換え体を調製して発現レベルを高めた。 酵母DNAエンドヌクレアーゼにおけるプロテインスプライシングの反応機構を,反応産物を生ずる改変体蛋白質のX線解析により明らかにした。サルモネラ菌の病原性Dps様蛋白質SEp22に関して,2種類の結晶の構造を解析し,12量体のサブユニット構造を得た。SEp22は,アミノ末端側に結合する鉄イオンを含み,この領域がサルモネラ菌DNAの保護を担っている。黄色ブドウ球菌の薬剤耐性の伝播に関わるカセットリコンビナーゼ酵素3種の発現,精製,DNAとの結合能などの性状解析を行った。
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