研究課題/領域番号 |
14370739
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
五十嵐 一衛 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (60089597)
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研究分担者 |
柏木 敬子 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助教授 (80169424)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
14,100千円 (直接経費: 14,100千円)
2003年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2002年度: 10,100千円 (直接経費: 10,100千円)
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キーワード | ポリアミン / スペルミジン / スペルミン / モジュロン / RF2 / フレームシフト / NMDA受容体 / R-domain / σ^<38> / アンチザイム / イフェンプロジル |
研究概要 |
1.ポリアミンにより翻訳レベルで合成促進を受ける更なる蛋白質を探索したところ、rRNA合成、ある種のtRNA合成及びエネルギー産生に関与する3種のmRNAの合成を促進する転写因子FisとFe輸送蛋白質mRNAの合成を促進する転写因子FecI(σ^<18>)がポリアミンにより合成促進を受けることが明らかとなった。Fis及びFecI mRNAは蛋白質合成開始に重要なShine-Dalgarno (SD)配列が明瞭でなく、SD配列をmRNA中に人為的に作ると、ポリアミン非存在下での蛋白質合成能が上昇し、ポリアミンによる促進が認められなくなった。 2.大腸菌の終結因子RF2のmRNAは26番目に終止コドンが存在し、+1 frameshiftによりRF2が合成される。このframeshiftに対するポリアミンの効果を検討したところ、RF2 mRNAに対するRF2の量が少ない時、すなわち対数増殖初期にポリアミンがこの+1 frameshiftを促進することが明らかとなった。 3.神経可塑性に重要な役割を果たすグルタミン酸受容体のサブタイプの一つであるNMDA受容体活性を、ポリアミンが脱分極時に促進することが明らかとなったので、ポリアミンが脳中をどのように循環しているかを検討した。ポリアミンの取り込みは、シナプス小胞、シナプトソーム、グリア細胞で認められ、スペルミンがシナプス小胞に蓄積することが明らかとなった。また、脱分極時に海馬のスライスよりポリアミンが遊離することを明らかにした。 4.ポリアミンが脱分極時にNMDA受容体を活性化する際の結合部位であるN末に存在する約350アミノ酸残基から成る調節領域(R-domain)を大腸菌に発現させ、その性質を検討した。NR1R及びNR2BRにスペルミン及びイフェンプロジルが結合したが、NR2ARにはスペルミンが弱く結合するのみであった。
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