配分額 *注記 |
7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
2004年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2003年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2002年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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研究概要 |
当該研究期間において申請者らは,既に合成した高い放射線増感効果をもつTX-1877とマクロファージ結合性を持つN-アセチルガラクトサミンを1-β型で結合させたマクロファージ結合型低酸素細胞放射線増感剤TX-2068を分子設計した.合成に関しては,N-アセチルガラクトサミンをアセチル化した後BF_3を触媒としてTX-1877と1-β選択的に反応させ,次いで脱保護してTX-2068を総収率35%で得た.TX-2068の水-オクタノール分配係数はP=0.0010であり,TX-1877のP=0.056と比較しても非常に高い水溶性を示した.TX-2068の低酸素細胞放射線増感活性に関しては,マウス乳腺癌細胞由来EMT6/KU細胞を用いたin vitro放射線実験より増感比(ER)=1.88(1mM)と有効増感比(1.6)を超える値を示し,TX-1877のER=1.75(1mM)と比較してもやや高い増感活性を示した.TX-2068のマクロファージ活性化能に関しては,マウス腹腔内マクロファージを単離し,これにTX-2068を投与後オプソニン化SRBCに対する貪食能で評価した.その結果,TX-2068投与群は1mMまで濃度依存的に貪食活性が増加したが5mMで抑制が見られた.この挙動は免疫反応で一般的に見られるベルシャープ型の活性であり,TX-2068がマクロファージを活性化することを示唆している.またTX-2068の細胞毒性に関しては,同じくマウス腹腔内マクロファージに対するMTT試験の結果から,5mMの範囲まで細胞毒性を示さないことが分かった.以上の結果より,TX-2068は低毒性でありマクロファージを活性化し,かつ低酸素細胞放射線増感活性を有する薬剤であることが示された.これにより,本研究目的である「マクロファージの低酸素指向性を利用した低酸素細胞放射線増感剤の分子設計」が達成できた.
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