研究課題/領域番号 |
14380003
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
体育学
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研究機関 | 小樽商科大学 |
研究代表者 |
中川 喜直 小樽商科大学, 商学部, 教授 (80201664)
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研究分担者 |
服部 正明 北海道東海大学, 国際文化学部, 教授 (70208544)
岡野 五郎 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (50117610)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
10,900千円 (直接経費: 10,900千円)
2004年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2003年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2002年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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キーワード | 筋内脂肪 / 持久性運動 / 筋細胞内脂肪 / 筋細胞外脂肪 / 骨格筋 / スポーツ / プロトンMRS / 脂質代謝 / 高齢者 / 有酸素運動 / 筋水分量 / 筋肉脂肪 / BMI / IMCL / EMCL / 生活習慣病 / 脂肪量 / 加齢 / 体組織 |
研究概要 |
本研究は^1H-MRS法により加齢による骨格筋の筋細胞内・外脂肪量の測定に加えて、(1)高齢者の運動習慣の有無による骨格筋内における脂肪量と水分量の変化、(2)10週間のウォーキングが高齢者の筋内脂肪に与える影響については検討した。【方法】被験者にはBMIが25未満の青年男性、老人男性、青年女性、老人女性、マラソンクラブに所属している高齢ランナーであった。筋内脂肪量の測定は1.5TMR装置を使用して、右足下腿の前脛骨筋(TA),ヒラメ筋(SOL)及び内側腓腹筋(MG)の筋腹部中央における1cm^3のセル内に含まれる脂肪量をプロトンMRS法によって測定した。得られたMRSデータは、標準ソフトを利用してスペクトル解析を施し、絶対値(mmol/kg wet wt)を示した。また、ウォーキング前後の筋細胞内脂肪の値について比較分析した。【結果と考察】TAの筋細胞内脂肪量(IMCL)は青年男性が1.90±0.93(mmol/kg wt weight)、老人男性が3.65±2.55であった。青年女性は3.10±1.35、老人女性は4.13±1.45であった。しかし、SOLとMGのIMCLの値は老人男女の値が青年男女の値よりも有意に高い値を示した。筋細胞外脂肪量(EMCL)は老人男女の値が青年男女の値よりも高値を示し、特にSOLとMGのEMCLの値は老人男女の値が有意に高い値を示した。筋肉の種類によってIMCLとEMCLの脂肪量には違いが認められた。TAのIMCLの平均値は老若男女とも低かった。老人男女の筋肉は青年の筋肉よりも相対的に筋内脂肪量が増加していることが示唆される。このことは、筋の霜降り状の脂肪量の割合が高いことになり、高齢者の骨格筋における糖・脂質代謝や機能面に影響を与える可能性が推察された。一方、高齢ランナーの筋内脂肪についてみると、高齢ランナーのIMCLとEMCLの値はMGおよびSOLの筋において対照群の値より有意に低い値を示したが、TAでは有意な差は認められなかった。加齢に伴い筋内脂肪量は増加することが知られているが、高齢ランナーでは脂肪量の増加が抑制されているようである。このことから、高齢ランナーの持久トレーニングは加齢に伴う筋内脂肪量の増加を抑制する可能性が示唆された。また、高齢者の10週間のウォーキング前後のIMCLについてみるとTA・SOL・MGともすべての筋肉において量的変化が認められなかった。しかし、TAのEMCLはウォーク前の値に比較して、運動後の値が低かった。ウォーキングでは虚弱高齢者の骨格筋における脂肪代謝を亢進し、筋肉の減弱を防ぐ可能性が示唆された。
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