研究課題/領域番号 |
14380004
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
体育学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
西平 賀昭 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (20156095)
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研究分担者 |
八田 有洋 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (20312837)
船瀬 広三 長崎大学, 医学部, 教授 (40173512)
下田 政博 東京農工大学, 農学部, 助教授 (80302909)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
10,400千円 (直接経費: 10,400千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
2002年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
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キーワード | CNV / EMG-RT / 運動関連脳電位 / 運動電位 / 中枢内情報処理過程 / 運動準備 / 運動プログラム / 神経伝導速度の分布 / 神経伝導速度 / 補足運動野 / 長期運動 / 競技者 / 高強度運動 / 脳 / 血中乳酸 / 筋電図 / P300 / 筋疲労 / 情報処理 / 準備過程 / 後期CNV / 感覚刺激 |
研究概要 |
長期運動経験が脳内の出力機構と脊髄運動神経伝導速度にいかなる影響を与えているかを詳細に検討することが本研究の目的である。本研究を通して次のような結果が得られた。 1.反応動作に伴う発揮張力量に競技者と非競技者の差は認められなかったが、発揮張力の立ち上がりは非競技者よりも競技者で急峻であり、EMG-RTは競技者で速かったことから、長時間の運動トレーニングは効率の良い反応動作の遂行に影響を及ぼすことが確認された。 2.計数課題では競技者と非競技者にCNVの振幅に差は認められなかったが、反応課題では競技者のCNV後期成分が非競技者より大きかったことから、競技者における効率の良い反応動作の遂行には、動作開始前から脳も興奮水準を高め、適切な運動の準備状態の構築が関与していることが推察された。 3.競技者の運動関連電位を構成する運動電位は、健康成人よりも有意に大きい値を示した。さらに、運動電位の振幅は補足運動野に相当する頭皮上部位で最大を示した。これらのことから長期運動を経験している競技者が随意運動に伴う中枢内情報処理過程の出力系にも影響を及ぼしていることが推察される。特に、運動準備や運動プログラムに関与している補足運動野の活動を活性化させている可能性が推察された。 4.長期運動が運動プログラムにいかなる影響を及ぼしているかを調べた結果、利き手側の尺側神経の伝導速度は、競技者が一般健康成人と比較して有意に速いことが明らかになった。さらに非利き側の尺側神経の伝導速度も競技者の方が有意に速い結果を示した。これらの結果から、スポーツ競技者の脊髄運動神経伝導速度は、一般健康成人よりも顕著に速く、末梢神経系へのトレーニング効果の可能性が推察できる。これらの原因としては、長期にわたるトレーニングによって、神経線維の形態的変化や神経線維数の割合の変化、神経線維のピーク値の移行が生じることが推察される。
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