研究課題/領域番号 |
14380019
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
体育学
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研究機関 | 鹿屋体育大学 |
研究代表者 |
竹倉 宏明 鹿屋体育大学, 体育学部, 教授 (00206963)
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研究分担者 |
春日 規克 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (60152659)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
14,800千円 (直接経費: 14,800千円)
2004年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2003年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2002年度: 7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
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キーワード | 運動トレーニング / 筋細胞内膜系 / 興奮収縮連関 / 骨格筋 / 細胞内情報伝達機構 / 免疫組織化学 / 電子顕微鏡 / Ca^<2+>チャンネル / リアノジン受容体 / dyspedicマウス / tetrad / レーザー走査蛍光顕微鏡 / 神経筋接合部 / 除神経 / シナプス小胞 / ミトコンドリア / 筋小胞体 / T管 / トライアド / トレーニング |
研究概要 |
骨格筋の興奮収縮連関の機能は、活動電位を筋細胞内部へと伝達する横行小管(T管)系及び筋小胞体(SR)と呼ばれる2種類の筋細胞内膜系によって、時間的、空間的に極めて緻密に制御されている生理機構である。伸張性収縮に伴い構造破壊が顕著に進行した骨格筋細胞や、除神経、また関節固定に伴う不活動状態によって損傷が認められる骨格筋細胞では、pentadやheptadなどの特殊な内膜複合体が出現する。この内膜複合体には免疫組織化学染色の結果、2種類のCa^<2+>チャンネルの発現が確認されたことから、Ca^<2+> release units(CRUs)として機能している可能性が考えられる。坐骨神経凍結により短期間、除神経状態にした骨格筋細胞に出現するpentadやheptadなどの内膜複合体は、収縮張力回復と共に消失し、神経凍結3週間後の時点ではほぼ完全にtriadに再構築された。これらの内膜複合体の形成は、骨格筋の収縮張力消失が第一の誘因となっていると推察され、損傷状態にある骨格筋細胞の収縮を励起するために、より多くのCa^<2+>を放出するための代償装置として構築された可能性も考えられる。収縮張力の回復に伴い、内膜複合体がtriadへ再構築されることは、内膜複合体の構造的な可逆的柔軟性を示唆している。この内膜複合体は、発生初期の筋細胞、長期間の不活動、及び下り走によって損傷を受けた筋細胞が再生する過程においてのみ出現が確認されており、これらの筋細胞において内膜複合体の形成を引き起こす共通の因子が存在する可能性が考えられる。しかし、損傷状態にある骨格筋細胞のいかなる因子が内膜複合体形成の直接的な要因となり得るのか、不活動状態を感知するセンサーは何か、不活動の信号を感知してから内膜複合体が形成される細胞内のプロセスは何か、といった問題点は現在でも未解決のまま残されており、今後の検討課題である。
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