研究概要 |
1.幼児向け造形教育番組,科学番組,物語番組を対象として,シーン分割,ラベリング,キーショット・キーワード抽出,シーン間の関連把握と構造図作成を組み合わせた,映像作品の構成に着目した構造分析方法による映像視聴能力育成プログラムを開発し,教員養成大学学部を対象として試行した結果,映像視聴能力の育成に有効であることを明らかにした。 2.教員養成における映像制作表現能力育成プログラムを開発した。本プログラムは,画面構成法、ビデオカメラ操作技術、映像番組の構造に着目した映像構成法、映像作品制作実習から構成されている。教員養成大学学部学生を対象として試行した結果、詳細な技術マニュアルによる演習により、ビデオカメラ操作及び電子編集技術が習得され、さらに、実際の放送番組を取り上げてその画面構成及びその構造に着目した映像構成法を盛り込んだプログラムが映像作品の具体的制作方法の理解を促進し、完成度の高い映像作品の制作に寄与したこと、さらに、映像作品制作能力の向上が映像視聴能力の向上に影響を及ぼすことを明らかにした。 3.映像理解,映像構成理解をはかるために,「意味するもの」を「映像カテゴリー」として分類し,それらがもつメッセージ,つまり「意味されたもの」を「理解要素」と位置付け,両者の関係に着目した分析的視聴方法を開発した。これを用いて現職教員及び教員養成系の大学生を対象に調査を行い,その有効性を明らかにした。 4.映像番組の制作側の考えを明らかにするために,ボストン公共放送局(WGBH)の教育番組制作のスタンスを検討し,「行動的視聴の促進」に置いていること、双方向性メディアの活用によって教育番組に新しい生命を吹き込んでいることを明らかにした。
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