研究分担者 |
清水 裕子 立命館大学, 経済学部, 教授 (60216108)
野澤 健 立命館大学, 経済学部, 教授 (30198593)
岡部 純子 愛知県立大学, 文学部, 助教授 (20295570)
吉村 宰 大学入試センター, 研究開発部, 助教授 (40314661)
荘島 宏二郎 大学入試センター, 研究開発部, 助手 (50360706)
FRASER Simon 呉大学, 社会情報学部, 助教授 (60289288)
齋藤 栄二 関西大学, 大学院・外国語教育学研究科, 教授 (60162187)
根岸 雅史 東京外国語大学, 外国語学部, 助教授 (50189362)
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配分額 *注記 |
9,400千円 (直接経費: 9,400千円)
2004年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2003年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2002年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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研究概要 |
初年度は,先行研究を基に,日本の大学入試問題の評価項目・側面の特定(item specification)を行うための分析フレームワークを策定した。2年目以降は,英語入試問題項目データベースに基づく大学英語入試問題の分析・検討と,大学入試センター試験英語問題の質的分析の二つを柱として研究活動を行った。 データベース構築の面では,109の国公私立大学の入試問題と,2001年から2003年までの大学入試センター試験英語問題を基礎資料として,総計2,944個のテスト項目を収集した。そのそれぞれの項目について,前年度策定したフレームワークを利用し評価項目・側面の特定を行った。その結果,大学英語入試問題の大部分が読解技能と文法知識の測定にあてられており,その課題形式も,少数のタイプの課題形式のみが用いられていることが判明した。また,ライティング技能を測定しようとするテスト項目についても,限られた種類の課題形式しか利用されておらず,学習指導要領が求めるライティング技能を測定しうる課題形式ではなく,従来型の課題形式上の特徴をもった項目が専ら利用されていること,等が明らかになった。 一方,大学入試センター試験英語問題の質的分析については,第6問の項目毎の統計情報の経年変化に基づき,設問のタイプを類型化することによって,統計情報の面で際だった特徴を示す項目に関する,課題形式・内容面での特徴を探った。その結果,少ない情報に基づいて推論を働かせる必要がある項目や,事実情報を問う項目であっても選択肢の表現に言い換えが含まれる項目において,特に難易度が上昇することが判明した。また,共通被験者計画による項目の等化をおこない,等化後のセンター試験受験者集団の平均値や標準偏差の推移に焦点をあてて,英語学力の経年変化を調査した。その結果,新しい学習指導要領に準拠し始めた時期を境として能力値の平均が下がることが示され,いわゆる「英語学力」に関する重要な問題提起となった。
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