配分額 *注記 |
14,900千円 (直接経費: 14,900千円)
2004年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2003年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2002年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
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研究概要 |
計算機処理や通信の対象として,実世界の3次元空間情報や画像情報などが,容易に利用できるようになってきた.たとえば,レンジデータやボリュームデータ,画像・映像情報など,実世界のデータが急速に増加している.一般に実世界の形状・画像情報はデータ量が多く,計算機処理の負荷が大きいばかりでなく,ネットワーク上の通信にも適していない.本研究では次元間の横断処理という概念をもとに,2次元画像情報の補間,3次元形状ならびに空間情報の解析,画像の輝度・色情報の解析と利用という観点から実世界データを効率よく処理する手法を考察した. 2次元画像情報の補間に関しては「ブラシストロークモデルによる絵画風画像モーフィング」と「エピポーラ制約を利用した実時間視点モーフィング」という2つの成果をあげた.絵画風画像モーフィングでは,2つの画像を入力とし,各フレームが絵画風画像によって構成されているモーフィングシーケンスを生成する,新たに確認されたポップアップ現象を軽減するために,ブラシストロークを3次元空間に配置する手法を考案し,実験によって有効であることを確認した.実時間視点モーフィングは,対象物体を撮影した複数の広基線間距離の実写画像から任意の中間視点画像を生成する手法である.射影空間におけるエピポーラ制約に基づいた視点モーフィングと2次元テクスチャマッピングを利用することで,3次元モデルを介することなく画像を実時間で表示できる. 3次元形状ならびに空間情報の解析に関しては「3次元空間変形による地形情報の視覚化」と「スカラ場の位相構造に着目した空間情報の解析手法」に関して成果をあげた.前者については,空間を変形させることによって,複数地点から観察した地形情報を整合かつ連続に1枚の画像にまとめる方法を検討した.地形の稜線(山線)や谷線をもとに地形を分割し,地形に応じた空間変形を自動的に導く手法を開発した.空間情報の解析手法としては,スカラ場の位相変化を表現するボリューム位相骨格を構成し,これを可視化の伝達関数設計に利用する方法を検討し,実験によって有効性を示すことに成功した. 画像の輝度・色情報の解析と利用については,「実写画像を対象とした視覚復号型暗号」や鉛筆画風などの効果を加える「テクスチャスクリーン法」などの成果をあげた.視覚復号型暗号とは,復号にあたって計算を必要とせず,人間の視覚によってのみ復号可能な暗号である.本研究では実写画像を扱うことを目的とし,グレースケールの実写画像ではダイナミックレンジの拡大と階調数の増加によって暗号画像の高品質化に成功するとともに,カラー画像の場合はCIE-XYZ色空間を利用した色の中立化操作による新たな画像の秘匿方法を開発した.
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