研究課題/領域番号 |
14380141
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
計算機科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
阿草 清滋 名古屋大学, 情報科学研究科, 教授 (90026360)
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研究分担者 |
結縁 祥治 名古屋大学, 情報科学研究科, 助教授 (70230612)
濱口 毅 名古屋大学, 情報科学研究科, 助手 (90273284)
山本 晋一郎 愛知県立大学, 情報科学部, 助教授 (40240098)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
13,400千円 (直接経費: 13,400千円)
2004年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2003年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2002年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
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キーワード | 時間オートマトン / リアクティブシステム / コード生成 / ソフトウェア信頼性 / 組み込みシステム / 通信プロセスモデル / 実時間システム / Webアプリケーション / XMLドキュメント / ソフトウェアリポジトリ / モデル検査 / 実時間並行ソフトウェア / Java / ミドルウェア / ミドルウェアデータベース / XML / 実時間振舞いモデル / プロセス代数 / π計算 |
研究概要 |
本研究は、低レベルのシステムAPI(Application Program Interface)と高レベルのアプリケーションの中間に存在するミドルウェアをリアクティブシステムとしてモデル化し、モデル化したミドルウェアに対して信頼性を高める技法を適用することでシステム全体の信頼性を向上させることを目的とした。さらに、モデルの特徴化に基づくデータベース化により信頼性のあるミドルウェアコンポーネントを蓄積し、ソフトウェア開発プロセスにおいて再利用するための枠組みを提案することを目指した。 研究は以下の3つの点に焦点をおいて実施した。 1.コンポーネント抽出技法の確立:大量のソースコードから、APIが構成するコンポーネントの特徴を抽出する手法を提案した。ここでは、FCDG(Function Call Dependency Graph)によってAPIの組み合わせを同定し、よく現れるFCDGを自動抽出する手法について提案した。さらにFCDGに対してAPIの意味に基づく正しさを定義することで、中間レベルの抽象度から発生する不具合の候補を検出することが可能になった。さらに、最粒度リポジトリの研究に基づいてデータベースを構築するための手法についても検討した。 2.時間つきπ計算による定式化:時間ソフトウェアの振舞いを通信プロセスモデルの体系であるπ計算でモデル化した。π計算における単一動作をAPIによる動作にマッピングすれば、π計算が表現する振舞いによってコンポーネントの振舞いをモデル化することができる。本研究では、時間を含めたコンポーネントの振舞いを合成することを目的としたため、π計算の枠組みを拡張して振舞いの解析技法を示した。ここでは、π計算動作の合同性に基づくモジュール性をもとに信頼性を向上させることを目指した。時間つきの体系において、制限された環境内ではモジュール性が保たれることを示した。 3.時間オートマトンに基づくコード生成:時間オートマトンによるシステムの仕様化からC++,Java, Lispなどのプログラムを生成する技法を提案した。時間オートマトンによって基本的な振舞いの正しさをチェックしたあと、それに従うプログラムを生成することが可能となった。 結論として、本研究ではミドルウェアの基本モデルとなるための望ましい基本的な性質に対して知見を得ることができた。
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