配分額 *注記 |
13,600千円 (直接経費: 13,600千円)
2005年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2004年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2003年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2002年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
|
研究概要 |
われわれ人間は,網膜に映った光学像を単に受動的に処理しているわけではなく,もっと能動的な処理を行なっている.何か重要な情報がありそうなところに注意を向けて,そこだけを詳しく観察したり,ある場所に存在するパターンをその前後の情報を用いて予測してみて,その予測が正しいかどうかを確認しながら認識操作を進めていくようなことも行なっている.このような能動的情報処理には,トップダウン信号が重要な役割を果たしている. 視覚神経系におけるトップダウン処理をはじめとする高次脳機能に関しては,最近生理学的研究がかなり進み多くの実験事実が発表されつつある,そこで,情報処理という立場に立って実験結果を整理し,新しい情報処理システムの設計原理を確立していくために,神経回路モデルを仲介とする研究を並行して進めていった.すなわち,高次脳機能に関して新しいモデルを提唱し,その動作を計算機シミュレーションによって調べ,生理学や心理学などの実験データと比較しながらモデルの改良を進めていった.またこれと並行して,提唱したモデルの考え方を工学的に実現させるために実世界のデータを用いた実用化試験もあわせて進め,従来とは異なる新しい形式の動的パターン認識システムの設計原理の開発を試みた. その結果,以下のようないくつかの成果を得た. ●部分的に遮蔽されたパターンを認識し修復する機能を持つ神経回路モデルの実現 ●ネオコグニトロン(視覚パターン認識機構の神経回路モデル)の文字パターン認識能力の向上 ●階層型神経回路に適した新しい追加学習方式の提唱 ●図形の対称軸を抽出する神経回路モデルの実現 ●オプティックフロー抽出機構の神経回路モデルの提唱 ●図地分離,輪郭統合,運動統合の各機構間の関係についての心理実験・モデルによる解明 ●LPD刺激に対する知覚と大域的運動統合・運動透明視との関係についての心理実験・モデルによる解明
|