配分額 *注記 |
9,300千円 (直接経費: 9,300千円)
2004年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2003年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2002年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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研究概要 |
本研究は,「構造式・反応式を含む化学コンテンツのインターネット流通システム」を目的としているが,それにとどまらず,印刷などの従来の情報発信方法も視野にいれ,両者を統合したシステムの開発を目差した.統合の基礎となるコンピューター表現として,本研究者の考案したXyM記法(キュムきほう,XyM Notation)およびその拡張マークアップ言語であるXyMML(XyM Markup Language)を採用した.XyM記法は,版下組版のためのXyMTeXの命令として約10年の実績があるが,インターネット配信用に整備し,さらに画面表示のための新たなソフトウェアとしてXyMJavaを開発した.XyMMLは,従来のSGML規格準拠から,インターネット用の規格であるXML(Extensible Markup Language)に準拠するように再編成した.さらに,XSLTと組み合わせることにより,構造式の情報をXyM記法として含むXyMTeX文書(印刷用)およびXML/HTML文書(インターネット配信用)に変換できるシステム仕様にした.XyM記法による構造式は,XyMTeXまたはXyMJavaにより図形表示される.XyM記法による構造情報を結合表に変換するために,XyM2Molシステムを開発した.これにより,結合表経由で,XyM記法の化学アプリケーションへの適用が可能になった.PDF(Portable Document Format)が,ここ数年で急速に普及してきたので,統合システムのもう一つの選択肢として考慮した.このためXyMTeXをPostScriptやPDF出力が可能なように改良して,インターネット配信ができるように拡張したシステムとしてXyMTeX2PSを開発した.このシステムは,従来のXyMTeXと新しく開発したPostScript対応部分を切り替えで使えるようになっているが,これまでの継続性を示すため,名称をXyMTeX Version 4.02として,本研究者のホームページ(http://imt.chem.kit.ac.jp/fujita/fujitas/fujita.html)で公開した.さらに,LaTeXの命令を列挙解説した書籍(藤田眞作,「LaTeX2eコマンドブック」ソフトバンクパブリッシング,2003)を刊行し,XyMTeXの使用拡大を図った.学会論文誌の投稿支援システムについては,LaTeX用やBibTeX用のスタイルファイルを整備し,ホームページ上で公開した.有機立体化学を化学情報学の立場から再構築する研究,日本語組版におけるXyMTeXの有効性に関する研究などにも着手した.
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