研究分担者 |
南 俊朗 九州情報大学, 経営情報学部, 教授 (80315150)
喜田 拓也 九州大学, 附属図書館研究開発室, 講師 (70343316)
藤崎 清孝 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助教授 (20253487)
矢加部 利幸 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (00182296)
植松 貞夫 筑波大学, 図書館情報学系, 教授 (50134250)
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研究概要 |
RFIDタグ(IDタグ)は,来るべきユビキタス・コンピューティング時代の核となる中心的なIT技術の一つである.非接触通信・メモリ機能・電池レスという優れた特性により,物品の管理のみならず,これまで磁気カードなどで提供されてきたあらゆるサービスに利用される可能性がある.今後もっとも重要な社会基盤技術として,より一層の普及とそれに伴う標準化,性能向上,価格低下が期待されている.その一方で,現状では実用されている例は未だ少なく,図書館における利用はその成功例の一つとして業界の注目を集めている. 本研究では,IDタグ利用による図書館業務の省力化の効果を調査・研究するために,九州大学附属図書館筑紫分館にRFIDタグシステムを導入した.これは,チェックポイント社・三菱マテリアル社との共同研究として進めているプロジェクトであり,導入当初約5,000冊の蔵書に13.56MHz帯のタグを貼付して実証実験を開始した.その結果,技術・運用双方の面で多くの知見が得られた.まず,一人が約1時間半程度でそれら蔵書のすべてを点検することが可能であることが分かった.また,貸出処理や受入処理における人員を削減できることが示された.一方で,タグの向きや金属による感度低下,不良タグの検出不能などいくつかの問題が明らかになったが,ある程度は運用の工夫により回避できることも分かった. 平成16年3月に筑紫分館新館が竣工し,新たに約2万冊の資料にIDタグが貼付された.今後は,この新館において中規模図書館におけるRFID導入の効果に関する実証実験を行い,また,図書館間の相互利用を見越したIDタグの標準化についても調査・議論を進める.
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