配分額 *注記 |
15,200千円 (直接経費: 15,200千円)
2004年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
2002年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
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研究概要 |
VRS(仮想基準点方式)によるGPS観測が地殻変動研究にどこまで利用可能か,また他の方式(RTK)なども併用し,高頻度サンプリングによる解析が地殻変動研究にどのように役立てるか,などについて検討した.VRSについては平成14年度にGPS受信機を購入し,VRS実験を静岡大学において実施した.実験は各年度1回ずつ行い,VRSの後処理解析を行った.最終の平成16年度にはそれまでの予備的な調査でキネマティック処理により数mm程度の精度が得られることが判明したため,本格的に東海地域にリアルタイムGPS観測網を敷設し,リアルタイム処理ができる体制を構築することとした.観測網については別途敷設された観測網を用い,この観測点にLINUXをベースとした小型計算機(Linux Box)を装着し,GPS受信機からのデータをリアルタイムに1秒サンプリングで収録する方式を取ることとした(なお,設置当初は30秒サンプリング).但し,リアルタイムでの実運用は将来の課題として残された.以上の結果,VRS方式で1〜2cm程度の測位精度が得られることが確認された.しかしながら,現在商用に用いられているVRS方式を流用すると携帯電話を使用しなければならず,連続・長期のデータ監視には不適であることが判明した.今後VRS方式を地殻変動監視用に用いるためには安価で確実なデータ通信インフラの整備が必要であると考えられる.比較として実施したオフラインキネマティック解析では数mm程度の測位精度が得られ,現時点ではVRSよりも精度がよい可能性があることが指摘された。2003年十勝沖地震の際に得られた1秒サンプリングデータを解析し,地震波形を明瞭に捕らえることに成功した.また,高知県室戸岬沖に設置されたGPSブイを用いたRTK-GPS観測では2004年9月に発生した波高役10cmの津波を捕らえることに成功した.
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