研究課題/領域番号 |
14380218
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
核融合学
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
渡辺 国昭 富山大学, 水素同位体科学研究センター, 教授 (50001326)
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研究分担者 |
波多野 雄治 (波田野 雄治) 富山大学, 水素同位体科学研究センター, 助教授 (80218487)
原 正憲 富山大学, 水素同位体科学研究センター, 助手 (00334714)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
2004年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2003年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2002年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
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キーワード | 核融合炉 / 低放射化材料 / バナジウム合金 / 水素同位体 / ブランケット / チタン / 表面 / 透過障壁 |
研究概要 |
V合金は核融合炉の低放射化を図るために有望な材料であるが、水素同位体の透過速度が大きいという欠点もある。この種の合金と水素同位体の相互作用に関する報告例はこれまでにもあるが、水素同位体の吸収・放出が表面状態に敏感であるためデータのばらつきが大きい。そこで本研究では、V-Ti合金およびV-Ti-Cr合金について、超高真空装置中でX線光電子分光法による表面分析を行うと共に、よくキャラクタリゼーションされた表面状態の下で水素同位体の吸収実験を行い、水素同位体の表面反応速度の表面組成依存性および同位体依存性に関する信頼性の高いデータを収集し、第一原理計算等により解析した。 V-4Ti合金およびV-4Ti-4Cr合金(核融合科学研究所提供)板材を673〜1273Kに加熱し表面分析を行ったところ、800K以上の温度領域でTiが表面偏析することがわかった。そこで、熱処理により表面Ti濃度が異なる試料を調製し、523〜1023Kで水素吸収実験を行い、捕獲係数αを求めた。Tiが表面偏析していない場合には10^<-4>程度の比較的大きな値が得られたが、Tiを表面偏析させるとαの値は2〜3桁減少した。すなわち、Tiの表面偏析により水素同位体の透過に対する障壁効果が得られた。第一原理計算の結果、Ti自体は障壁効果に寄与しないことがわかったので、この障壁効果の発現は、Vより酸素との化学的親和力が強いTiが表面偏析し、不純物酸素の影響をより強く受けたことによると結論した。Tiが偏析していない場合のαの値と、[Ti]/[v]〜0.5程度まで偏析させた場合の値は、従来の報告値のばらつきの上限値と下限値にほぼ対応し、Tiの挙動を把握することにより報告値のばらつきを理解できる可能性があることが示唆された。なお、本実験条件下では表面反応速度における同位体効果は小さく、実験誤差の範囲内であった。
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