配分額 *注記 |
13,500千円 (直接経費: 13,500千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2003年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
2002年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
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研究概要 |
本研究では,自動車からの廃熱を熱源として想定した高効率熱電発電システムの実現を目的として,実験・理論の両側面からの検討を進めた.以下に研究成果の概要をまとめる. 1)中高温用熱電発電モジュールの製造技術の開発 水素化金属あるいは水素吸蔵金属箔を用いた,金属電極-熱電発電素子(CoSb_3,Yb系CoSbあるいはBi_2Te_3)の接合条件を確保し,多カップルモジュールを一括して作成する工法についても検討した.また,i)熱電半導体-Cu接合体がオーミック性を有し,接合層(金属箔)がCu元素の拡散防止層として機能する,ii)良伝熱性絶縁板AINと電極が水素吸蔵したTi箔で強固に接合し,Ti層が熱応力緩和層として機能する,といったことを見出した. 2)熱電発電材料の性能改善と電子状態理論計算 材料製造プロセスの検討によってCoSb_3系熱電発電材料の性能改善を試みるとともに,PbTe,シリサイド系Mg_2Siの作成プロセスを検討し,微細化,高密度化による高性能化の可能性を示した.一方,理論計算から,i)CoSb_3系材料とタイプI構造クラスレートとシリサイド化合物に対する理論計算結果は実験結果を説明し,ii)クラスレート化合物の貴金属置換がキャリア制御と熱電性能向上のために有効である,といったことを見出した. 3)熱電発電モジュール一体型熱交換器の開発 熱回収効率向上を目的として「熱電モジュール一体型熱交換器」を設計・試作した.実測した温度分布を用い,熱電特性と熱伝導の両数値シミュレーションにより評価した熱交換器性能は,当初の見込みを上回った.特に,i)接触するように組み合わせた熱回収フィンの構造とii)モジュール電極と熱交換器基板の密着性確保が有効であることを見出した.なお,半導体基板冷却用の伝熱シートの採用により,モジュール冷却側の伝熱特性が改善された.
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