配分額 *注記 |
15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
2004年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2003年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2002年度: 8,700千円 (直接経費: 8,700千円)
|
研究概要 |
低減速自然循環沸騰水型炉の起動時における熱流動特性に関する研究において,低減速自然循環沸騰水型炉炉心近傍基本流れを模擬した,自然循環型並列沸騰流路を用いて,起動時における熱流動不安定性について実験的,解析的に調べ,以下のことを明らかにした. (1)昨年度までの研究に用いた低減速自然循環沸騰水型炉炉心近傍流動を模擬した並列沸騰流路を用いて,フラッシング現象,稠密炉心の低圧力下におけるガイセリングを中心とする蒸気泡変動による圧力変動に起因した不安定流動に与える影響について,非加熱ライザー部長,流路間隙,系圧力をパラメータとし,広範囲における流動条件下で実験を行うことにより調べた. (2)詳細な気泡流の流動構造解明には,均一な気泡発生が不可欠であり,本研究で開発した気泡発生装置により広範囲の気泡径が発生可能であることを確認した.また,本手法では流量条件に因らずに任意の気泡径を発生させることが可能であり,流れ方向における発達過程の計測によって,小気泡では合体が少なく,一方,大気泡では合体による影響が確認された.それらの流動構造を解明するためにUDM,DIP,WMTを用いた複合計測の必要性が示された. (3)超音波パルスを送受信する計測システム構成および取得したエコー信号をプログラミング処理するソフトウエアを開発し,気液二相流の流動様式である気泡流からスラグ流,そして環状流の流動判別に適用した. (4)昨年度開発した粒子-流体モデルに基づく気泡流の多次元流動解析コードを,垂直矩形流路内および垂直円管流路内の気泡流の発達過程を計測した実験結果に適用して解析を行い,気泡流の流れの発達特性を支配する物理現象を調べた. (5)以上の研究成果に基づき,低減速自然循環沸騰水型炉の安定かつ合理的な起動手順を提案するとともに,チェムニの分割の必要性について提案した.
|