研究課題/領域番号 |
14380261
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境影響評価(含放射線生物学)
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研究機関 | (財)放射線影響研究所 |
研究代表者 |
高橋 規郎 財団法人放射線影響研究所, 遺伝学部, 副部長(研究員) (40333546)
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研究分担者 |
檜山 桂子 広島大学, 原爆放射線医科学研究所・ゲノム疾患治療研究部門, 助教授 (60253069)
檜山 英三 広島大学, 自然科学研究支援開発センター・生命科学研究支援分野・生命医科学研究開発部, 教授 (00218744)
小平 美江子 財団法人放射線影響研究所, 遺伝学部, 副主任研究員 (60344412)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
11,200千円 (直接経費: 11,200千円)
2003年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
2002年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
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キーワード | マイクロアレイ / comparative genomic hybridization (CGH) / 放射線影響 / 継世代影響 / 多型変異 / ヒトゲノム / 欠失型変異 / マイクロアレイCGH / 被爆2世 / 突然変異 / 全ゲノム解析 / 生殖細胞 / Bac-クローンDNA / 集団遺伝調査 |
研究概要 |
原爆放射線のヒト継世代的影響、言い換えるとヒト生殖細胞への影響、を調べることは、放射線防護基準の決定などに極めて重要なことである。そこで、我々はこのための技法として最も有効なものの一つである、マイクロアレイCGH法を導入した。この科研補助による研究において、アレイCGH法が有効に使用されるために必要な基礎的要求;(1)大きな欠失を確実に検出するための実験条件の確立、(2)コンピュータ画像解析による、ゲノムコピー数の増減の迅速なる同定、(3)膨大なデータを処理するためのコンピュータソフトの開発とその改良を完了した。我々が改良したマイクロアレイCGH法を用いるならば、放射線により生ずる100万塩基対(1Mb)を超えるような大きな欠失型変異が見逃されることなく、しかも迅速に検出されることが明らかになった。我々は、約120万塩基対(1.2Mb)毎の間隔で常染色体に位置する約2400種類のBac-クローンを選び、それらを3枚のガラスに分けてスポットした。このマイクロアレイを用いて、被爆者の子供30名および対照群の子供30名から得たゲノムDNAを試料とした集団調査を行った。その結果、2名の対象者で変異型が検出された。この対象者の両親を調べたところ、これらの変異は少なくとも片親から遺伝していることが分かった。この集団調査とは別に、放射線照射細胞より得たゲノムをこのアレイを用いて解析したところ、欠失型変異が数ヶ所に検出された。これをモデルとして、定量PCR法、定量サザン法により変異部分の大きさを同定するための実験条件を確立した。従って、集団調査の過程で検出された変異の意味付けが迅速に実施可能となった。対象集団を拡大して本法による検査を行うことにより、従来はモデル動物でしか明らかにされていなかった、放射線の継世代的影響(遺伝的影響)が、ヒトにおいて、初めて明らかになる可能性が現実のものと成った。
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