配分額 *注記 |
15,300千円 (直接経費: 15,300千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2003年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2002年度: 11,700千円 (直接経費: 11,700千円)
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研究概要 |
1)廃棄物熱処理プロセスシミュレーターによる重金属挙動の実験的検討 重金属含有排ガス発生部と状態変化制御部からなる廃棄物熱処理プロセスシミュレーターを設計・製作した。排ガス発生部は最高1100℃で廃棄物を熱処理し,最大10l/minで状態変化制御部へ供給できる。状態変化制御部は直円管中に石英製円筒ろ紙フィルタを直列に三段設置し,それらの集塵温度をヒーターにより個別に制御(約800℃〜200℃)することで任意の排ガス温度における粒子状・ガス状重金属類を分離・捕集可能な構造である。製作したシミュレーターを用いて温度,滞留時間(流速,フィルタ位置)を変化させて重金属類の挙動を実験的に検討した。実験結果から,温度と滞留時間による排ガスからの粒子化率の違いを確認することができた。 2)シミュレーションによる重金属含有排ガス存在状態の推定 1)の実験と同形のシミュレーターを想定し,これを通過する重金属含有排ガスの存在状態について,熱力学平衡計算によりシミュレーションした。様々な条件で計算を行った結果,雰囲気温度,雰囲気ガス濃度及びフィルタの設置温度をコントロールすれば,目的とする重金属の化合状態を変化させられることから,排ガス中の重金属類を選択的に分離可能であることが示唆された。 3)反応速度論に基づく排ガス中重金属類の状態変化の推定 熱処理排ガス中に含有する鉛化合物に着目し,排ガス温度が変化する際に蒸気状物質が粒子状物質に変化する速度について反応速度論に基づき検討を行った。その結果,鉛化合物の粒子化メカニズムは化学反応に由らず,凝縮等の相変化が支配的であることが示唆された。 4)効率的な成分分離法の検討 3)で単純化した排ガス中微量重金属類の状態把握を行い,1)でその中に集塵装置を組み込んだ状態把握を行うことにより,最も効率的に重金属成分分離を行う温度と滞留時間等の条件設定について検討を行った。
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