配分額 *注記 |
7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
2004年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2003年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2002年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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研究概要 |
有毒プランクトンによる赤潮は,全世界において漁業被害だけでなく深刻な社会・環境問題を引き起こしている。近年,新種渦鞭毛藻プランクトン,ヘテロカプサ・サーキュラリスカーマによる赤潮が日本近海の内湾で発生した。このプランクトンは,魚類には被害を及ぼさないが,カキやアコヤガイといった二枚貝に対して生物群特異的に被害を及ぼす。本研究では,このヘテロカプサに含まれる二枚貝致死活性物質の探索を行なった結果,2種のカキ致死活性物質を見出した。 培養したヘテロカプサ藻体を1-BuOHで抽出した後,ヘキサンと80%メタノールで分配した。80%メタノール可溶画分を逆相シリカゲルカラムで分画することによって活性画分を得た。さらにシリカゲルカラム,ゲルろ過カラム,および逆相高速液体クロマトグラフィーで精製することによって2種のカキ致死活性物質,ヘテロカプサトキシンA(HTX-A)およびヘテロカプサトキシンB(HTX-B)を単離した。 HTX-Aの分子量は,MALDI-MSから5,024であった。また,HTX-Bは,1,980であった。それぞれの^1Hおよび^<13>C NMRスペクトルおよび化学的性質から,いずれも類似の構造で,幾つかの二重結合ならびに多くの酸素官能基を含むことが明らかとなった。 HTX-Aの構造決定に関しては,オゾン分解を行なうことによって2つの主生成物(HTX-A1とHTX-A2)を得た。そのうち,HTX-A1は,分子式がC_<46>H_<84>O_<22>であった。^1H NMR,^<13>C NMRおよび各種2次元NMR (COSY,HMQC,HMBC)を解析することによって,その平面構造を決定した。
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