研究課題/領域番号 |
14380290
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物有機科学
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研究機関 | 北海道大学 (2003-2004) 九州大学 (2002) |
研究代表者 |
坂口 和靖 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00315053)
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研究分担者 |
下東 康幸 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (00211293)
中馬 吉郎 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40372263)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
13,600千円 (直接経費: 13,600千円)
2004年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2002年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
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キーワード | ヘテロオリゴマー / コンビナトリアルライブラリー / ペプチド / ドミナントネガティブ / 癌抑制タンパク質 |
研究概要 |
がん抑制遺伝子p53の変異は、ヒト悪性腫瘍で最も多く認められる異常であり、がん遺伝子治療の最も重要なターゲットのひとつとなっている。本研究では、正常型p53の立体構造と機能を保持したままで、悪性腫瘍中の変異型p53とヘテロ四量体を形成しない遺伝子治療用の改良型p53の開発を目指した。まず319-358位の40アミノ酸残基よりなるヒトp53四量体形成ドメインを母体ペプチドとして、二量体間の相互作用に関わる主要な4個の疎水性アミノ酸残基をそれぞれ7種の疎水性アミノ酸Trp、Tyr、Phe、Met、Leu、Ile、Valでランダム化したコンビナトリアル-ペプチドライブラリーLib-4、および、p53四量体立体構造形成に重要な9個の疎水性アミノ酸残基すべてをランダム化したLib-9ライブラリーを作製した。Lib-4ライブラリーを用いた1次スクリーニングされたペプチド混合物は、CD解析により天然型四量体ペプチドとほぼ同一の構造をとることが示され、これが目的とするヘテロ四量体を形成しないペプチドを含んでいることを強く示唆した。この情報を基にした二次ライブラリーをデザインし合成した。このライブラリーを用いた二次スクリーニングにより、特に2、3個のペプチドは顕著に濃縮されていることがHPLC分析により明らかとなった。これらのペプチドは、目的の非ヘテロオリゴマー形成性配列を含むことが強く期待されるため、その配列解析を実施予定である。以上より、現在の手法が目的のペプチドを得るために適切なものであることが強く示唆され、我々の提唱するユニークな非オリゴマー形成性のp53の開発が十分に実現可能であることが示された。このことは、この新しい概念に基づいた他のオリゴマー形成性の標的遺伝子におけるドミナント-ネガティブの問題を抱える遺伝子治療研究にも応用され得ると期待される。
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