研究課題/領域番号 |
14380297
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
構造生物化学
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研究機関 | 兵庫県立大学 (2004) 姫路工業大学 (2002-2003) |
研究代表者 |
小出 武比古 兵庫県立大学, 大学院・生命理学研究科, 教授 (60018695)
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研究分担者 |
若林 貞夫 兵庫県立大学, 大学院・生命理学研究科, 助教授 (80148436)
佐伯 晃一 兵庫県立大学, 大学院・生命理学研究科, 助手 (40360052)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
14,100千円 (直接経費: 14,100千円)
2004年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
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キーワード | ERbプロテアソーム / 20Sプロテアソーム / ERAD / 品質管理 / ホスファチジルイノシトールポリリン酸 / α1-アンチトリプシンNHK / プロテアソーム / 品質管理機構 / 小胞体関連分解 / タンパク質分解 / 基質特異性 / SKLP |
研究概要 |
我々は、ラット肝ミクロソームから新規な小胞体膜結合性のプロテアソーム(ERbプロテアソームと命名)の精製に成功した。さらに、その分子構造の特徴について、20Sプロテアソームがα5およびβ2サブユニットを、それぞれ2つずつ有するのに対し、ERbプロテアソームはα5とα5'サブユニットおよびβ2とβ2'サブユニットを、それぞれ1つずつ有し、サブユニットが1つずつ置き換わっていることを明らかにした。また、α5'サブユニットは、α5の前駆体のN末端のMet-Phe-Leuがプロセシングを受けないまま、Metがアセチル化されたものであることも明らかにした。このERbプロテアソームは小胞体膜結合性という点から、小胞体関連分解(ERAD)において重要な役割を果たしていると予測して、本年度は、1.ERbプロテアソームとERbプロテアソームを特徴づけるα5'サブユニットの膜結合能とその特性を解析した。さらに、2.α5'サブユニットおよびそのN末端アミノ酸置換変異体を作成し、ERADの基質となるα1-antitrypsin (α1-AT)の変異体null Hong Kong (NHK)あるいはantithrombin (AT)の変異体AT ΔGluと共にHEK293細胞に共発現させ、チェイス実験を行った。その結果、1.ERbプロテアソームやα5'サブユニットは、phosphatidylinositol polyphosphates (PIPs)に特異的に結合することが明らかになった。さらに、2.α5'サブユニットやα5'の3位のLeuをIleに、4位のThrをProに、それぞれ置換したα5'(3Ile4Pro)を過剰に発現する細胞では、20Sプロテアソーム型のMetα5(α5のN末端にMetを付加した組換え体)を発現する細胞に比べ、α1-AT NHKおよびAT ΔGluの分解促進、つまりERADの促進が観察された。本研究のこれまでの結論として、ERbプロテアソームに独自に存在するα5'はα5のN末端に3残基長い疎水性のプロペプチド配列(Ac-Met-Phe-Leu)を有しており、この部分を介して小胞体膜上のPIPsに結合することでERADをより効率よく行っていることが示唆された。
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