研究課題/領域番号 |
14380299
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
菊池 九二三 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (20006117)
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研究分担者 |
島 礼 宮城県立がんセンター, 研究所, 部長 (10196462)
田沼 延公 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助手 (40333645)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
14,900千円 (直接経費: 14,900千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2004年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2003年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
2002年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
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キーワード | PP1 / NIPP-1 / PTPεC / MKP-7 / LDP-3 / Raf-1 / siRNA / JNK / トウトマイセチン / DSP / B-Raf / インヒビター2 / Raf / JNKホスファターゼ / トートマイセチン / ERK / M1細胞 / ストレス応答 / LDP / プロテインホスファターゼ |
研究概要 |
プロテインホスファターゼの3つのファミリー、セリン/スレオニンホスファターゼPP、チロシンホスファターゼPTP、二重基質特異性ホスファターゼDSPについて、情報伝達ネットワークシステムを作動させるホスファターゼ分子群の分子機構と意義を解析した。結果は、以下に要約される。 1.PP1がRaf-1を活性化し、これにより下流のERK経路を活性化すること、すなわち、PP1が細胞増殖において正の調節因子として働くことをトウトマイセチンを用いて明らかにした。 2.NIPP1のC末端領域を欠損する変異体(NIPP1-ΔC)を細胞に発現させたところ、細胞周期の停止とそれに続いて細胞死が誘導された。レポーター遺伝子を用いた実験において、NIPP1-ΔCがpre-mRNAのスプライシングを抑制し、成熟mRNAレベルを減少させることを明らかにした。 3.PP1触媒サブユニットについて、siRNAを用いてHeLa細胞で解析し、PP1αが増殖に必須であることを明らかにした。 4.M1白血病細胞にPTPεC遺伝子を発現させた細胞を、scidおよびnudeマウスにそれぞれ静脈内移植すると、生存日数が大幅に延長することがわかった。 5.新規の二重基質特異性ホスファターゼMKP-7の触媒領域のC-末端側のセリン-446残基がERKによってリン酸化され、このリン酸化によりMKP-7が安定化されることを明らかにした。MKP-7がユビキチン化されて急速に分解されること、またこの分解が、MKP-7セリン-446残基のリン酸化により抑制されることを見いだした。 6.新規DSP分子のひとつLDP-3をCOS-7細胞に発現させると、ホスファターゼ分子であるにもかかわらず、JNKおよびp38に対し、その活性化を増強させた。 以上より、細胞増殖・細胞周期・がん・ストレス・アポトーシスなどの情報伝達ネットワークシステムの制御に関わるホスファターゼ新規分子および関連分子の新しい機能と機構を明らかにした。
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