研究課題/領域番号 |
14380300
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
齋藤 正男 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (70302239)
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研究分担者 |
富田 毅 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (20302242)
海野 昌喜 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (10359549)
松井 敏高 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (90323120)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
12,100千円 (直接経費: 12,100千円)
2003年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
2002年度: 7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
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キーワード | ヘム / ヘムオキシゲナーゼ / X線結晶構造解析 / 反応中間体 / 酸素活性化 |
研究概要 |
ヘムオキシゲナーゼはヘムを酸化的に分解し、最終的にビリベルジンへと変換する酵素である。本研究ではヘムオキシゲナーゼの反応機構を詳細に至るまで徹底的に解明するために、全反応中間体のX線結晶構造解析を目標としている。ヘムオキシゲナーゼとしてはジフテリア菌由来のヘムオキシゲナーゼ、"HmuO"を用いた。 平成14年度には、ヘム分解の開始段階である、酸化型ヘム-HmuO複合体の構造を1.3Åの分解能で決定し、HmuOの基本構造は哺乳類型ヘムオキシゲナーゼに類似しているが、プロトン供給パスには大きな変化があることが示唆された。さらに、還元型ヘム複合体の構造を1.5Åで決定し、酸素結合部位に近いヘリックスが大きく動くことを示した。その他、各種阻害剤結合型ヘムとの複合体についても高分解能の結晶構造を解明することに成功しており、HmuOによる基質認識機構に関する知見を得た。 平成15年度には、結晶中で不安定な反応中間体を調製するために、嫌気グローブボックス内での結晶操作、および結晶の光吸収測定システムを構築した。このシステムを用いることで従来は困難であった酸素結合型結晶の調製に成功し、1.85Å分解能での構造解析に世界で初めて成功した。この結果、ヘムオキシゲナーゼの高い酸素親和性、生成物阻害の抑制、さらに酸素の活性化機構などに関する多くの知見が得られた。また、前年度に見いだしたヘムの還元に伴うヘリックスの構造変化は、酸素の結合に適した構造への変化であることも明らかにした。さらに、最終生成物であるビリベルジンとの複合体、および、その前段階の鉄-ビリベルジン錯体との複合体の構造解析にも成功した。鉄錯体の構造は既報の哺乳類型ヘムオキシゲナーゼと類似していたが、鉄が遊離した後の構造は大きく異なっており、この比較的大きな生成物の放出におけるヘムオキシゲナーゼの多様性を示す結果となった。
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