研究課題
基盤研究(B)
ショウジョウバエの1本の味覚感覚子には、水(W)、糖(S)、塩(L1、L2)に応答する4個の味細胞が存在する。本研究によって、フ節と唇弁の特定の感覚子が苦味物質に応答することを電気生理学的に初めて明らかにした。感覚子によって最も良く応答する物質は異なっていた。高濃度の塩に応答するL2細胞が苦味物質に応答する。唇弁には片側31本の味覚感覚子が存在し、1、s、iタイプに分類される。それぞれのタイプ別に糖に対する神経応答を調べたところ、1タイプの感覚子が最も感度が高く、iタイプの感覚子は1タイプの半分ほどの応答であった。sタイプの感覚子ではショ糖に対してはLタイプと同等に応答するが、他の糖に対しての応答は弱かった。i-タイプの感覚子は、水に応答しないが、糖、塩、苦味物質には応答し、2個の味細胞しかもたたない。生理学的な解析により、糖と低濃度の塩は一つの味細胞で受容されており、高濃度の塩と苦味物質は別の味細胞で受容されていることがわかった。ショウジョウバエのゲノムには、3量体Gタンパク質をコードする遺伝子は16個予測されている。味覚器における発現をRT-PCRを用いて調べたところ、α、β、γサブユニットで各1個が主に発現していた。Gγ1遺伝子に対する2本鎖RNAを発現するUAS-RNAi系統を用いて味覚神経応答を調べたところ、糖応答が低下していた。Gγ1遺伝子のnull突然変異体を用いて糖受容細胞の神経応答を調べた。FLP/FRTシステムを用いて任意のタイミングで体細胞組換えを起こし、Gγ1遺伝子のnull突然変異ホモ接合体の細胞を生じさせた。その味細胞の糖に対する神経応答は低下していたが完全には消失していなかった。Gγ1遺伝子は糖受容細胞で発現しており、糖受容シグナルトランスダクションに関与していると考えられる。
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