研究課題
基盤研究(B)
CENP-Aは染色体均等分配に必須な動原体特異的ヒストンH3バリアントである。我々は、CENP-Aの分裂酵母ホモログCnp1の局在化因子Mis6とAms2を、遺伝学的に同定してきた。今回、それらの分子的性質について、以下の新たな知見を得た。1.mis6変異の多コピーサプレッサーとして、Mis6と結合因子Sim4/Mix1を同定した。Mis6-Sim4複合体は紡錘体チェックポイント蛋白質Mad2のM期動原体局在に必須であった。またM期特異的動原体蛋白質Nuf2が、Mis6複合体のM期の局在維持に必須であった。さらにMis6はMad2とチェックポイントが発動する条件下で物理的に結合すること、そのN末断片はM期微小管と相互作用することもわかった。以上の結果は、Mis6-Sim4複合体がNuf2複合体と協力して微小管と動原体の結合状態をモニターし、Mad2の局在を制御する足場として働くことを示唆している。2.Cnp1の動原体へのローディング過程に、細胞周期において二つの異なった経路が存在することを示唆するデータを得た。GATA転写因子であるAms2は、S期にコアヒストン遺伝子の転写活性化を促進し、倍化した姉妹動原体へのCnp1のローディング効率を高めていることを示した。Ams2破壊株では、S期を通過するとCnp1は動原体に局在化できなくなるが、驚いたことに、G2期後期になると再び再局在化し始めることがわかった。このAms2非依存的なG2期のCnp1局在化経路は、局在化に失敗したCnp1を次のM期に入る前に再ローディングするためのバックアップ機構と考えられる。実際、遺伝的手法でAms2破壊株のG2期を短縮すると、Cnp1は再局在化できなくなり、染色体分配異常を引き起こし致死となった。このCnp1局在機構の融通性は、動原体形成の柔軟さを説明し得るかもしれない。
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