研究課題
基盤研究(B)
本研究は、申請者らが2001年に同定した家族性筋萎縮性側索硬化症2型の原因遺伝子(ALS2)とその遺伝子産物(ALS2タンパク)の発現ならびに分子機能の解析を通して、運動ニューロン疾患の分子発症機序の解明を目指すものである。具体的には、1)研究材料の開発、2)ALS2タンパク質の細胞・組織内での発現様式および局在解析、3)ALS2タンパク質の分子機能解析、4)ALS2タンパク質と結合する因子の同定、ならびに5)ALS2タンパク質に関連した分子カスケードあるいはシグナル伝達系分子ネットワークの解明、という5項目の研究を実施した。その結果、以下のような成果が得られた。1)ALS2タンパク質が低分子量Gタンパク質Rab5の特異的なグアニンヌクレオチド交換因子(Rab5GEF)であることを明らかにした。2)ALS2タンパク質は初期エンドゾームに局在し、しかも低分子量Gタンパク質Rab5と共発現することにより、エンドゾームの肥大化を誘起することが判明した。3)ALS2分子内のMORN-VPS9ドメインがRab5GEF触媒活性に必須であり、さらにALS2はRab5-EEA1分子シグナル系を賦活化することにより、エンドゾーム融合に促進的に作用することを証明した。4)ALS2タンパク質自身は自己結合し(オリゴマー形成)、その複合体形成がALS2タンパク質の分子活性ならびに細胞内機能に必須であることを明らかにした。5)ALS2のC末領域と高い相同性を示す新規タンパク質ALS2CLの同定に成功し、当該タンパク質がALS2の分子機能を調節する因子である可能性を示した。以上のような研究成果から、ALS2タンパク質はエンドゾーム・膜小胞の動態調節機能を担っており、その機能的喪失がALS2遺伝子変異に起因した運動ニューロン疾患発症の分子基盤になっていると推察された。
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