研究課題/領域番号 |
14380367
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経科学一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
船橋 新太郎 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (00145830)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
14,500千円 (直接経費: 14,500千円)
2004年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2002年度: 7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
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キーワード | 前頭連合野 / 情報処理機構 / 情報表現 / 遅延反応課題 / 単一ニューロン活動 / 情報変換 / 情報の表象 / 眼球運動 / ワーキングメモリ / 多重情報表現 / 神経回路網 |
研究概要 |
本研究は、マルチモーダルな情報処理に深く関わる前頭連合野背外側部ニューロン群の活動を指標に、(1)前頭連合野背外側部の神経回路網はどのような方略により多重で柔軟な情報表現を実現しているのか、(2)情報処理の過程で、神経回路網上に表現されている情報はどのように変化するのか、(3)その変化のパターンにはどのような規則性が見られるのか、(4)このような変化を生じるメカニズムは何か、を解明する目的で計画した。 眼球運動を使った遅延反応(ODR)に加えて、注視点に現れる視覚刺激の色の違いにより上下左右のいずれかの位置へ眼球運動を行わせる課題(O-ODR課題)、手がかり刺激として視覚刺激を上下左右の4ヶ所に同時提示し、遅延後に4ヶ所のいずれかに眼球運動を行わせる課題(S-ODR課題)を行わせ、前頭連合野背外側部より単一ニューロン活動の記録を実施した。 その結果、前頭連合野背外側部においては、空間情報、非空間情報を表現するニューロンの記録部位にはトポグラフィーは観察されず、両者の分布に大きな重なりが見出されたが、分布の重心位置に違いのあることが見出された。また、視覚刺激が呈示される位置の違いや眼球運動方向の違いにより、視覚情報を表現するニューロンや眼球運動情報を表現するニューロンの空間的分布に違いが見出された。この結果は、さまざまな情報は前頭連合野のニューロン群の空間的な発火パターンの違いにより表現されていることを示唆している。このように、情報の違いにより発火するニューロン群の空間的なパターンが異なることから、情報処理とは発火するニューロン群の空間的なパターンの変化として捉えられることが示唆された。しかし、空間的な発火パターンの時間変化が情報処理に関わっていることが明らかになったものの、そのような変化を生じる要因は明らかではない。今後、このような変化を生じる要因としてのニューロン間、ニューロン群間の相互作用の解析が必要である。
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