研究課題/領域番号 |
14380371
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経科学一般
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研究機関 | 生理学研究所 (2004-2005) 岡崎国立共同研究機構 (2002-2003) |
研究代表者 |
伊藤 南 生理学研究所, 生体情報研究系, 助教授 (20311194)
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研究分担者 |
小松 英彦 生理学研究所, 生体情報研究系, 教授 (00153669)
小川 正 生理学研究所, 生体情報研究系, 助手 (50311197)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
13,800千円 (直接経費: 13,800千円)
2005年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2004年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2003年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2002年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | 大脳皮質視覚野 / 輪郭線 / 折れ曲がり / 第二次視覚野 / 第一次視覚野 / 霊長類 / 分岐 / V2野 |
研究概要 |
本研究課題は物体の形状を認識する過程を明らかにすることを目的として、図形の輪郭に含まれる折れ曲がりが初期視覚野でどのように検出されているのかを調べた。(1)注視課題遂行中の二頭のサルの第二次視覚野(V2野)第II/III層から単一細胞外記録を行い、二本の半直線を組み合わせて作成した受容野を横切るような大きな折れ曲がり刺激に対する選択性を調べた。その結果、(1)多くのV2野細胞が折れ曲がりに対して選択性を示す一方、個々の半直線成分に依らずに折れ曲がりの角度や刺激の方向を表すものは見つからなかった。(2)多数の細胞で刺激セットに対する反応が1〜2方向の半直線成分に依存しており、それらは個々の半直線成分に対する選択性とよく合致した。(2)折れ曲がり選択性が形成されるメカニズムを明らかにするために、特定の傾きの半直線を表現するサブユニットの出力を線形加算するモデルを最適化して先に記録した折れ曲がり選択性を説明できるかどうかを解析した。二本の半直線成分を表す興奮性サブユニットと一様な抑制性サブユニットを仮定することによりその選択性をよく説明した(79/91細胞)(P<0.01、ブートストラップテスト)。特異的な折れ曲がり選択性は最適でない半直線成分への抑制とスパイク発生時の整流作用により説明された。(3)V2野の主要入力源である第一次視覚野(V1野)が果たす役割を調べるためにV2野で使用したものと同じ刺激セットを用いて記録した。V1野では60°、120°の開きを持つ折れ曲がりに選択的な細胞がほとんど見られず、またこれとは別に受容野内にのみ提示される短い線刺激にのみ反応する細胞が認められた。従ってV1野が折れ曲がり選択性の形成に果たす寄与は直線ないしは直角の表現およびそれに類するものに限定される一方、V2野では方位選択的な線情報の組み合わせにより輪郭線に含まれる様々な折れ曲がりを表すことが示された。
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