研究課題/領域番号 |
14380374
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経科学一般
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研究機関 | (財)東京都医学研究機構 |
研究代表者 |
齋藤 実 (齊藤 実) (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 主任研究員 (50261839)
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研究分担者 |
宮下 知之 (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 研究員 (70270668)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
13,500千円 (直接経費: 13,500千円)
2003年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
2002年度: 7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
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キーワード | 自発開口放出 / syntaxin (syx) / グルタミン酸受容体 / シナプス前終末 / syntaxin(syx) / syntaxin / cAMP / CaMKII / Gene Chip |
研究概要 |
受容体のシナプス部位への集積は形成されたシナプスが機能を獲得するための重要なステップである。自発開口放出が起こらないsyntaxin (syx)変異体では受容体集積が殆ど起こらないことから、我々は受容体の集積が集積因子を含んだシナプス小胞の自発開口放出のみで起こるとの仮説を提唱している。本研究では先ずsyx変異体で稀に見られる受容体クラスターと我々の仮説の整合性を検証するためsyx変異体でシナプス形成を解析した。次いでシナプス形成を中心としたシナプス可塑性と学習記憶との関わりを遺伝学的に解明することを目的に、二つのアプローチをとって研究を進めた。一つはSyxタンパクと相互作用するタンパクを同定し、そのタンパクがシナプスの可塑性の発現、学習記憶にどのような役割を果たすか明らかにすること、もう一つは新たな学習記憶変異体を行動遺伝学的解析から検索し、変異遺伝子がシナプス可塑性の発現にどのような役割を果たしているか明らかにするというアプローチである。 先ず我々の仮説の検証では、シナプス形成の初期にはsyx変異体でも極めて低い頻度ではあるが、母性Syxタンパクによると思われる自発開口放出が起こることを見出した。この母性Syxによる初期の自発開口放出が僅かな受容体クラスターの形成に寄与していることが伺えた。次いでシナプス可塑性と学習記憶との関わりについて、第一のアプローチでは活性化されたCaMKIIがSyxタンパクに結合するとの報告を参考に、CaMKIIとSyxタンパクの結合を阻害するため、SyxタンパクのCaMKII結合ドメインを過剰発現させたトランスジェニックフライを作成し、現在詳細な行動遺伝学的解析を行っている。第二のアプローチではランダムな変異体から学習記憶行動に異常のあるものを検索し、新規の記憶変異体ruslanを単離した。ruslanはグリア細胞にその発現が示唆された。
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