研究課題/領域番号 |
14380391
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
片岡 一則 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00130245)
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研究分担者 |
山崎 裕一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (00322678)
斯波 真理子 国立循環器病センター研究所, 室長 (70271575)
原田 敦史 東京大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50302774)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
16,600千円 (直接経費: 16,600千円)
2004年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2003年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
2002年度: 9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
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キーワード | 高分子ミセル / 遺伝子デリバリー / ブロック共重合体 / ナノカプセル / DNA / 生体適合性 / ポリエチレングリコール |
研究概要 |
本研究では、内核に遺伝子DNAを保持し、表層部に標的細胞による認識と取込みを促進させるパイロット分子を結合させた生体適合型高分子ミセルを創製し、新規遺伝子ベクターとしての有用性を検証した。高分子ミセルの構築には、ポリアニオンである遺伝子(プラスミドDNA)の性質に着目し、ポリカチオン連鎖を持つマルチ機能化ブロック共重合体との静電相互作用による会合体形成を活用した。すなわち親水性で生体適合性に優れ、α-末端に各種パイロット分子を結合可能なポリエチレングリコール連鎖とDNAとの静電相互作用が可能なポリアミン連鎖が連結したマルチ機能化ブロック共重合体とプラスミドDNA間の自己会合プロセスに基づき高分子ミセルを調製し、その表層にパイロット分子を連結する方法論を確立した。 本研究で創製した高分子ミセルは、ウイルスと同等のサイズで、遺伝子を保持する内核が親水性外殻で覆われる明確な二層構造をとる為、(1)溶解性や安定性等の製剤学的特性の向上、(2)体内での非特異的異物認識を免れ半減期が延長、(3)血管壁透過性を含めた組織浸透性の向上、(4)パイロット分子を介する標的細胞への取込み増大など、in vivo遺伝子ベクターが具備すべき基本的用件を充分に満足する。また内包遺伝子の大きさを任意に選択でき、細胞内環境応答機能団の組込みにより遺伝子の細胞内移行も制御できるなど、ウイルスを凌駕する特色を備えている。この高分子ミセルは培養細胞における優れた遺伝子発現効率を有すると共に、細胞内還元環境に応答して内包遺伝子を放出する高いインテリジェント機能を発現する。またマウス血中投与により、肝臓に一様に遺伝子発現を導く事にも成功した。本研究で創製した高分子ミセル型遺伝子ベクターは従来型ベクターの欠点を克服しており、普遍的な人工ウイルス型ベクターとして遺伝子治療分野の進展に多大な貢献をもたらすと確信される。
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