研究課題
基盤研究(B)
本研究では、多数のα-シクロデキストリン(α-CD)の空洞部を貫通したポリエチレングリコール(PEG)の両末端に嵩高い生分解性基を導入した串刺し状高分子(生分解性ポリロタキサン)を基本骨格として、多数のα-CD水酸基に種々のリガンドを導入し、α-CDのPEG鎖上での位置が自由に変化する超分子の特徴から、細胞表面レセプター発現・分布の時間変動に同調してレセプターとの結合を持続する新しい生体材料を設計することを目的とした。平成14年度では、モデルリガンドとして糖を選択し,α-CD貫通数の異なる種々のポリロタキサンへの導入とその結合体の溶液特性を検討した。その上で,赤血球凝集阻害活性からコンカナバリンA(ConA)との相互作用におけるα-CD貫通数の影響を考察した。CD貫通数を増大すると、CD貫通率が38%であるときに最大の凝集阻害効果を示した。平成15年度は、ConAとの結合定数を算出し、ポリロタキサンの機械的結合に基づく分子運動性が熱力学的にも有利に機能することを見出した。平成16年度は、組織再生用スキャフォールドとしての生分解性ポリロタキサン架橋体を調製し、ゲルの完全分解・消失と軟骨、骨芽細胞の接着・増殖を実現した。平成17年度には、ConAを固定化した金センサー表面における糖鎖導入ポリロタキサンとの相互作用を解析し、その迅速性について速度論的に評価し、最も分子運動性の高かったポリロタキサンでは、ConAとの結合速度定数が最も大きいことを明らかにした。さらに、第三級アミンを多数導入したポリロタキサンの両末端にジスルフィド(SS)結合を導入した生分解性ポリロタキサンを合成し、末端SS結合の還元に伴うポリロタキサン超分子構造の解離に同調したDNA放出を実現した。さらに、この特徴が遺伝し発現へ及ぼす影響を培養細胞から検討したところ、遺伝子発現も向上する傾向が見られた。
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