配分額 *注記 |
14,900千円 (直接経費: 14,900千円)
2004年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2003年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2002年度: 8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
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研究概要 |
異なる開口状態におけるMRI撮影像より,下顎窩に対する下顎頭の相対運動軌跡を生成し,正常顎関節および関節円板前方転移顎関節の開口運動時における関節円板並びに後方結合組織の応力状態の特徴を明らかにした. 関節および関節円板接触面における摩擦特性を定量的に評価するために,振り子型摩擦試験器を制作し,動物顎関節を用いてインビトロの摩擦係数を評価した.また,摩擦係数の変化が開口運動時における関節内軟組織応力状態に及ぼす影響を解析した. MRI像から生成される下顎頭軌跡を参照した変動軌跡と顎関節内応力状態への影響を解析し,復位性円板前方転移顎関節においてはその影響が大きいことが明らかとなった.開口位での下顎位置の下方変動,ならびに閉口位での下顎頭位置の回転を伴う下方変動が,非復位性円板前方転移顎関節において,開口運動中の関節円板の復位に寄与する可能性を示した. 顎関節の個体別有限要素モデルに,下顎頭に連なる下顎骨と下顎窩に連なる頭蓋骨を剛な骨組み構造により組み合わせた拡大モデルを用い,下顎骨と頭蓋骨にまたがる咬合筋による噛み締め解析を行い,軟組織の粘弾性が関節内応力状態に及ぼす影響解析へと計算解析を拡張する方法を示した. 個体別モデルに基づく計算バイオメカニクス解析におけるパラメータスタディにより,顎関節のMRI像など医療画像と計算解析結果との対比による顎関節コンポーネントの弾性係数など力学特性の同定は顎関節症診断への,顎関節軟組織の力学状態を改変するための顎運動軌跡の検討は顎関節症治療計画への展開可能性を示した.
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