研究課題/領域番号 |
14380410
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
南谷 晴之 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (70051779)
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研究分担者 |
末松 誠 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (00206385)
永田 博司 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (00146599)
谷下 一夫 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (10101776)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
17,100千円 (直接経費: 17,100千円)
2003年度: 7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
2002年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
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キーワード | 光線力学的治療 / 活性酸素 / アポトーシス / 血小板血栓 / 内皮細胞 / 癌細胞 / ポルフィリン / 共焦点レーザー顕微鏡 |
研究概要 |
光線力学的治療(Photodynamic therapy, PDT)は、光感受性物質の光化学反応に基づく活性酸素産生によって腫瘍組織血管の血流遮断効果と腫瘍細胞の殺細胞効果をもたらすもので、臨床上、有効な腫瘍治療法の一つと言われている。本研究では、PDTによる血流遮断効果と殺細胞効果を評価・解明することを目的として遂行された。腫瘍組織や種々の臓器内で流動する赤血球、白血球、血小板などの血流動態を可視化するために、これら血球細胞に固有の蛍光プローブ分子を標識し、励起光による蛍光イメージングによって各細胞の微小血管内のダイナミックスを可視化した。また、細胞や組織中の酸素分圧・酸素濃度を非接触で計測するために、Pdポルフィリンを酸素プローブとして波長532nmレーザーで励起し、放射燐光の強度と寿命から局所の酸素分圧を求めるシステムを使い、腫瘍組織内の血流遮断に関わる血流動態と酸素代謝を解析した。血栓形成・血流遮断過程の血球細胞の流動速度、粘着・凝集量を画像定量化するために、高感度高速度カメラとPCベースイメージプロセッサを用いて蛍光標識血球細胞の流動速度、個数のカウンティング、血小板及び白血球粘着・血管閉塞面積を計測し、酸素加効果、活性酸素のスカベンジャ作用、その他、血栓促進・抑制因子や内皮細胞傷害因子の薬理作用を検討した。 一方、腫瘍新生血管の構築状態と血流動態の可視化と酸素代謝の計測を行い、血流遮断に関わる血小板・白血球・血管内皮細胞の相互作用の分子メカニズムを検討した。光化学反応の活性酸素作用により内皮細胞の細胞骨格F-actinの重合、細胞接着を司るtight junctionの喪失、細胞短縮、内皮下露出が顕著に増加、さらに血小板、白血球の内皮細胞接着性が有意に増加し、血栓形成が促進されることを明らかにした。また、光化学反応に基づく活性酸素産生に伴う腫瘍細胞の細胞死の過程を細胞質蛋白切断、ミトコンドリア酸化還元応答、核DNA断片化、細胞死誘導メッセンジャとしてのCa^<2+>動態、デスレセプタやCaspase活性についてナノプローブを用いたダイナミックイメージングを行い、アポトーシス誘導に関する分子メカニズムを明らかにした。
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