研究課題/領域番号 |
14390025
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
青山 温子 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40184056)
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研究分担者 |
喜多 悦子 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 教授 (40075130)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
12,800千円 (直接経費: 12,800千円)
2004年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
2002年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 地域紛争 / 開発途上国 / 女性の健康 / 復興開発 / 保健医療対策 / 精神的健康 / カンボディア / スリランカ / 国際研究者交流 / スリランカ:カンボディア / 多国籍 |
研究概要 |
本研究の目的は、開発途上国の地域紛争による女性の心身の健康への影響を、医学的・社会的側面から分析し、効果的介入法を提案することである。主な調査対象国は、カンボディア、コンゴ民主共和国(DRC)、スリランカであるが、アフガニスタン、パレスチナ、ミャンマーについても検討した。 カンボディアでの質的調査の結果、女性の健康には経済状況や家庭環境の影響が大きいこと、紛争中の苛酷な体験が現在の健康状態に影響しており、精神的健康問題は対応されずに残っていることなどがわかった。また。過去の困難さは同程度でも教育水準や出身地などにより現状は多様化しており、夫のいない女性や教育水準の低い都市貧困者に問題が多かった。復興開発の進行に伴い、貧富の格差拡大やHIVなど新しい疾患の増加などの問題が発生しており、長期的戦略のもとに開発を進めることの重要性が再確認された。 DRCには退避勧告が出されていたため、隣国のケニアにて情報・資料を収集した。東部などでは武装集団が依然として活動しており、年齢・部族などに関わりなく、女性に対する残虐な性的・身体的暴力がきわめて多いことが大きな問題であった。 スリランカは社会開発に重点を置いてきた国だが、紛争により北東部の保健医療水準は悪化し、医療施設の不備や専門医などの著しい人材不足が認められた。女性の状況は比較的良好であったが、国内避難民居住地などでは、精神的健康の問題や女性に対する暴力の問題があった。今後は、人材の確保を進め、また北東部以外の貧困地域にも配慮しながら、復興開発を進めるべきと考えられた。 このように、紛争の性質、紛争前の社会開発水準、文化的背景、国際支援や周辺国の状況、経済開発の進行度などにより、紛争は、様々な形で女性の健康に影響を及ぼしている。リプロダクティブヘルスの問題のみならず、精神的健康への対応が重要で、女性に対する暴力への対応も必要である。
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