研究課題/領域番号 |
14390026
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
中島 泉 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40022826)
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研究分担者 |
武田 湖州恵 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (80345884)
鈴木 治彦 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (90283431)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
8,800千円 (直接経費: 8,800千円)
2003年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2002年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | チロシンナーゼ / レドックス / RET / T細胞 / ラフト / アポトーシス / MKK6- / -マウス / ネガテイブセレクション / チロシンキナーゼ |
研究概要 |
1.受容体型チロシンキナーゼRETの分子モデルにおいて、がん遺伝子産物RET-PTC-1のキナーゼドメインのC末端側に保存されたシステインをアラニン(疎水性)、グリシン(親水性)、セリン(親水性、OH基保有)、リジン(塩基性、e-アミノ基保有)のそれぞれに置換したミュータント遺伝子(cDNA)を導入した細胞を作製し、RETの活性を解析した。その結果、この位置のシステインが酵素活性の発現に重要であることが確認された。このシステインの分布をデータベースで解析したところ、一つの例外を除いてすべてのヒトチロシンキナーゼ分子のMXXCWモチーフ配列の中に極めて高度に保存されていることが判明した。一方、RETチロシンキナーゼ分子内のリン酸化を受けるチロシン部位を質量分析法によって網羅的に解析した。この結果、主要リン酸化部位であると推定されていたY905を含めて少なくとも5個所のチロシンリン酸化部位がキナーゼドメインの中に同定された。RET分子の立体構造モデルにおいてこれらのリン酸化部位となるチロシン群とキナーゼドメインのaヘリックスHのC末端側にあるMXXCWモチーフ中のシステインのキナーゼ活性化における異なる役割を推定した。2.T細胞表面の受容体が砒素などで酸化的化学修飾を受けて生ずるシグナル伝達は、細胞膜ラフトの機能に依存して産生される活性酸素の働きを必要とすることを示した。また、脂質由来のカルボニル化合物であるHNEを細胞に作用させた時、HNEにより活性化するカスパーゼによりSrcキナーゼの活性が負に制御され、このため、チロシンリン酸化が低下して活性化するホスファターゼPP2Aの作用でAktキナーゼの活性が低下してアポトーシスシグナル経路が正にフィードバック制御されるというラフト依存性の新経路の存在を示した。3.先に樹立したMKK6-/-マウスを解析し、胸腺リンパ球のネガテイブセレクションとそれ以後の終末分化において、MKK6と関連するレドックスシグナルが関与することを確認した。
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