配分額 *注記 |
5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2003年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2002年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
|
研究概要 |
都市雨水に起因するリスクマネジメント、について検討を行うとともに、都市住民を対象としたアンケート調査を行った。調査より、住民のリスク認知を高めるような対策を行うことが必要であることを示した。 また、水質リスク減少の便益を評価する理論モデルを構築した。このモデルを実証するため、アンケート調査を行い、リスク回避行動を把握し、東京都の高度処理投資に対する支払い意思額を求めた。さらに、リスク認知と情報によって支払い意思額がどのように変化するかを検証した。その結果、回避行動が可能となる水道水質リスクの場合には、リスク認知が過大であるほど、また、高度処理の効果に関する情報が少ないほど支払い意思額は小さくなる。つまり、リスク認知が過小であり、高度処理の効果が大きいほど公共投資としての高度処理に対する支払い意思額が高くなる。 さらに、エージェンシー理論による保険の適用可能性の検討により,水道水質汚染リスクの事後的マネジメントとしては,補助金によるリスク分担制度を援用できる可能性が高いとの考察結果を得た.ただし,常に指摘されるように,補助金制度による資源配分の歪みも無視し得ない問題であることから,市場メカニズムによる効率性を享受することのできる保険制度の適用可能性と包括的な比較検討を行った上での選択であることが前提として必要である.たとえば,保険の適用可能性について,水道水の水質汚染に関するリスクだけでは小規模事業体にとっての市場可能性がない等の理由で失敗するならば,環境リスク一般として,大気汚染や土壌汚染などと統合した保険制度を創設することで,リスクプールのメリットが働き保険料を低く設定することができる.それによって,情報の非対称性によるモラルハザードのインセンティブを減らすことができる可能性もある.
|