研究課題/領域番号 |
14390056
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 国立極地研究所 |
研究代表者 |
三浦 英樹 国立極地研究所, 研究教育系, 助手 (10271496)
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研究分担者 |
大河内 直彦 海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, グループリーダー (00281832)
横山 祐典 東京大学, 大学院・理学研究科, 講師 (10359648)
森脇 喜一 国立極地研究所, 研究教育系, 教授 (50033501)
五十嵐 厚夫 東京大学, 海洋研究所, 海洋科学特定共同研究員
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
13,400千円 (直接経費: 13,400千円)
2004年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2003年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2002年度: 8,900千円 (直接経費: 8,900千円)
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キーワード | 南極海 / 南極氷床 / 海底堆積物 / 融氷水 / 脂質化合物 / 海水準変動 / IRD / 気候変動 / 南極海海底堆積物コア / 海洋プランクトン / 脂肪酸 / 放射性14C年代 / 水素同位体比 / 珪藻化石 / 有孔虫化石 / 宇宙線生成核種 |
研究概要 |
1990年代以降,グリーンランド氷床コアや北大西洋深海堆積物コアの解析から,グローバルな第四紀の気候変動のメカニズムの原因として,北半球氷床の変動が大きな役割を果たしてきたとする議論が行われてきた。一方,現在地球上で最大規模の氷床である南極氷床とその周辺の環境変動の研究については十分に明らかにされておらず,それが地球環境変動に果たしてきた役割は北半球氷床に比べてほとんど評価されていない。その最大の理由は,南極大陸周辺で採取される海底堆積物中に放射性年代測定を行うための炭酸カルシウムがほとんど含まれていないことと,その代替物質としての全有機炭素中に南極大陸起源以外の「古い」有機炭素が混入しているため,放射性炭素年代測定を行っても実際よりもかなり古い年代を示して,最終氷期以降の南極氷床変動の正確な編年を行うことを困難にしていたことにあった。この問題をふまえて、最終氷期以降の南極大陸周辺の海洋環境と南極氷床の融氷のタイミングを今までより正確に明らかにするために、南極海で採取された海底堆積物コアのうち、特にロス海周辺から南極半島付近から採取された試料のうち、試料の保存状況の良好なものを選び出した。このうち、ロス海のコアからは海洋プランクトン起源の脂質化合物を抽出し、現在はステロールの水素同位体比を測定する前処理を行った。この水素同位体比は融氷水に対してかなり敏感な指標となることが明らかになった。また、南極半島周辺の海底堆積物コアからは、肉眼による観察、粒度の分析および軟X線写真撮影によって南極半島起源のIRDは25-17kaに特に多く、17ka以降は少なくなる一方、ウェッデル海沿岸起源のIRDは25-17kaには少なく12ka以降に多くなる。また、15-12kaにウェッデル海沿岸および南極半島起源のIRDの極大が認められた。上記の事実から、LGM(24-19ka)には南極半島西側の氷床は大きく発達しており、融氷期後期(15-12ka)には南極半島とウェッデル海域の氷床が大きく後退したことが推測された。
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