研究課題/領域番号 |
14390059
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
斉藤 幸子 独立行政法人産業技術総合研究所, 脳神経情報研究部門, グループ長 (30344138)
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研究分担者 |
小川 尚 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (20040181)
池田 稔 日本大学, 医学部, 助教授 (30130420)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
10,500千円 (直接経費: 10,500千円)
2004年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2003年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2002年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | 味覚 / 濃度 / 強度 / 第一次味覚野 / MEG / fMRI / 側性 / 鼓索神経 / ヒト / 非侵襲性脳イメージング / 味覚一次野 / 味覚中枢伝導路 / 脳活動 / 脳磁場 / laterality / 鼓索神経切除 / 味覚中枢 / 中枢伝達路 / 味 |
研究概要 |
1.主観的味覚特性のうち、食塩の物理的濃度及び感覚的強度とヒトの大脳皮質第一次味覚野の活動強度との関係を脳磁場計測(MEG)によって検討した。物理的濃度、感覚的強度共、第一次味覚野の活動強度と有意な相関を示したが、物理的濃度との相関の方が高い値を示した。このことは第一次味覚野の活動は物理的濃度の情報がより直接的に反映され、感覚的強度は濃度情報を反映する第一次味覚野の情報が修飾された結果と考えられる。 2.MEGで第一次味覚野として同定された頭頂弁蓋部にfMRIにおいても味覚誘発の賦活が見られるかどうかを(機能的磁気共鳴イメージング法(fMRI))検証した。MEG計測で用いたと同じ味刺激装置で被験者の舌先に食塩水と水を流し、食塩水で賦活される大脳皮質味覚関連領野の部位とその広がりをfMRIで計測した。12名中9名では、外側溝内の頭頂弁蓋部とそれに隣接する島皮質上部に賦活を見い出し、MEGで既に同定した部位に相当すると考えられた。このことは、これまでのPETやfMRIによる研究が前頭弁蓋部にのみ賦活を認め、いわゆるarea Gに賦活を見い出していないことと対比している。 3.味覚一次野の側性について、触刺激の混入がない味覚刺激提示装置と時間分解能が高い脳磁場計測装置(MEG)を用いて、検討した。慢性中耳炎に対する手術の際、右側の鼓索神経を切断した7症例に対し、健常側の鼓索神経に対する味覚刺激を行い、中枢の味覚応答をMEGにより計測した。計測は1症例当たり6-8回施行した。46セッション中、味覚一次野に推定されたのは36セッションであった(78.3%)。応答の側性は、両側性が26セッション(72.2%)と片側性よりも多くみられた。以上より、片側鼓索神経からの味覚情報は、両側の味覚一次野にほぼ同時に投射する可能性が高いと推測された。
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