研究課題/領域番号 |
14401009
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
文化人類学(含民族学・民俗学)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
吉田 栄人 東北大学, 大学院・国際文化研究科, 助教授 (10240285)
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研究分担者 |
桜井 三枝子 大阪経済大学, 人間科学部, 教授 (90235226)
初谷 譲治 (初谷 譲次) 天理大学, 国際文化学部, 教授 (10180895)
鈴木 紀 千葉大学, 文学部, 助教授 (40282438)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
2004年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2003年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2002年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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キーワード | マヤ / 伝統医療 / ジェンダー / 観光 / エスノヒストリー / エスニシティ / エンパワメント / カルチュラル・スタディーズ / エンパワーメント |
研究概要 |
本研究では、征服後間もなくの16世紀から現代に至るまでマヤは他者によってどのように描写され、かつ「消費」(征服、支配、搾取等を含む)されてきたのかを様々な古文書、旅行記、研究書、口頭伝承などから検討した。そのマヤ言説の分析を通じて、それぞれの言説に入り込んだ歴史的かっ民族的なバイアスがどのようなものであったか、またそれはどのようなプロセスで生成されたのかを明らかにした。さらには、他者によって生成されたマヤ・イメージに対してマヤの人々はどのように対応をしてきたのか、あるいはどのようなマヤ・イメージを自ら生成しようとしたのかをも検討した。 具体的には、歴史学の領域においては植民地時代の反乱する先住民というステレオタイプ化された言説の相対化作業を初谷が試みた。今日のマヤ研究における基礎的な史料群とみなされてきた植民地時代の歴史文書には西欧中心主義的な歴史観が働いているはずであるにもかかわらず、マヤ学者たちはそうした史料批判を一切怠ってきた。大越がそうした植民地時代の文書に書き込まれた他者および「マヤ」の人々の意図を明るみに出す作業を行なった。 文化人類学の領域では、マヤの伝統文化とみなされる伝統医療がどのように理解され、またどのように近代医療と接合されてきたか、またその現場に人類学者などの他者と伝統治療師などのマヤの当事者たちはどのように関わってきたかの分析を通じて、伝統的なマヤというイメージおよび言説が生起かつ処理される様式を明らかにする作業を吉田が行なった。鈴木は、先住民の自発的なマヤ文化振興活動がさまざまな支援者とかかわりを持ちながら、自身のマヤ・イメージを形成、変化させていく複合的なプロセスを検討した。さらに、抑圧された先住民というイメージの下でエンパワーされる先住民文化回復運動(言語、民族衣装、政治、土地)と女性をめぐるジェンダーの問題を桜井が扱った。 また、研究協力者の杓谷が遺跡の観光利用におけるマヤ・イメージの生産と消費の形態に関する考察を行なった。
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